ドンッ!

「俺のアホ…」

あのときいつもみたいに
流せばよかった
スキンシップ
文化の違い
流せたはずや
それもできないほど
想いが募ってる
そういうことか…

コンコンッ
「彩、入るで」

「…姉ちゃん」

「ごめんな彩
いつも
今日のことで
よく分かった
嫌やったやんな
ごめんな?気づかへんくて
彩、優しいから
甘えてた
もう、昔とちゃうのに」

「姉ちゃん違っ…」

「これからは!
お姉ちゃんらしくする
彩に甘えるの辞める
じゃあおやすみ」

バタンッ

扉が虚しく閉まる
違う、違うんや!
姉ちゃんが傷つくことなんか
ないんやから
俺が悪い
全部俺が
この歪んだ愛を育ててしまった
この俺が…




「ふぁ…」

「彩、おはよ」

「姉ちゃんっ?なんで」

「朝練あるから
行ってきます」

バタンッ

今までずっと
俺が起こしてた
なかなか起きなくて
それやのに…
パッとキッチンを見ると
簡単やけど朝ごはん

「お姉ちゃんらしくする
って…」

その日から
姉ちゃんといる機会が
一気に減った
男に絡まれても
他の同じクラスの先輩に
助けてもらってたし
生徒会やって
部活やって
こなしていた…

まるで、俺なんか
いなくても大丈夫みたいに



「だから言ったのに
いっそのことって」

「…そうやな」

「先輩を傷つけた上に
気持ちを伝えることもできない
何がしたいのか」

「…」

「先輩
いっそのこと
ほかの人と」

「ほかの人…?」

「美優紀先輩を
見すぎなんですよ
先輩は
違う人見てみたら
いいじゃないですか…」

「違う人…?」

「例えば私とか」

「凜々花を…?」

凜々花は俺の
膝の上に乗ってきた
そして首に腕を回す
そして面と向かって
見つめ合う

こんな風に顔を見たことが
なかった
凜々花は可愛い
朱里は綺麗系やけど
凜々花は可愛い顔をしてる
気づいたら顔を寄せていた


チュッ

「ん?…え?」

閉じていた目を開けば
凜々花の手のひらやった

「好きになりました?」

「いや、それは」

「そう別に先輩じゃなくてもいい
女なら誰でもいいんですよ」

「誰でもいい…」

「はい
ただ先輩と会えない日が続き
不安な日々が続いた
そしていざ戻ってきた時感情が
錯覚を起こした
けしておかしいことじゃない」

「でも俺は…」

「おかしくなんかない」

「おかしくない…」

「忘れましょ?先輩のこと」

「忘れる…」

「私はずっと先輩の味方
私を使ってください」

「…凜々花」

「はい」

「…付き合ってくれ」

「フフフッ…喜んで」





「じゃあ
また明日、迎えに来るわ」

「はい、おやすみなさい
彩先輩」

バタンッ

ブーブーブー

「もしもし」

「凜々花
なんかいろいろ分からへん」

「落ち着いてください」

「私、田中くんが好きやねん
それやのに
なんか今、そのこと
どうでもよくて
ほかのことで…
彩のことで…」

「大丈夫です
私はいつでも味方です」

「…ありがとう凜々花
私が頼れるのは
相談できるのは
凜々花だけやで」

「ありがたき幸せ…
すべてうまく行きます
全て綺麗に
私に任せてください」

「…うん」

「安心して寝てください







美優紀先輩」