一人残された体育館
ただボールの跳ねる音だけ聞こえる
それはだんだん小さくなって
向こうに転がった

彩に突き飛ばされるなんて
そんなにキスが嫌やったんや
そりゃ、そうやんな
年頃の男の子やもんな
好きな子にされたいのに
お姉ちゃんからされるなんて
きっと嫌なんや…
今までのキスとかハグも
ホンマは嫌なのに我慢してくれてた
そういうことかな

ガラガラッ
「あれー?みるきー」

「愛菜…」

「どしたん?こんなとこで
しんどい?」

「なんにもないよ
愛菜こそなんで?」

「あ、いやそれは
えっと忘れ物してさ
それで」

「菜々ちゃんは?」

「送ってきた」

「そーなんや」

「どうしたん?
なんか元気ない?」

「ちょっと…」

「相談ぐらい乗れるで?」

「…あのな?
私スキンシップ激しいやん
抱きついたりキスしたり」

「そーやな
向こうの時間も長かったし
文化の違いやからな」

「そうやけど
でもそれって
愛菜ずっとされたら
嫌やんな」

「別に嫌ではないけど」

「お姉ちゃんからやったら?」

「あー、彩か
なんか言われたん?」

「ううん、でも
もしかしたら傷つけたり
迷惑っていうか
我慢させてるんかなって」

「彩の気持ちは分からへんけど
俺なら…嫌かな」

「え…」

「だって姉やろ?
家の中ならともかく
外とかなら
もし友達に見られて
なんか言われても嫌やし
彼女とか好きな子とかに
見られたら
めっちゃ恥ずかしいやん?」

「そう、やんな…」

「彩優しいからなぁ
我慢しちゃってたんかもな」

「そっか、そうやんな
彩、嫌なんか」

「あ!でも俺はっ…」

「愛菜?」

「いや、何もない」

「…やっぱり
距離おかへんとな」

「みるきーもさ
危ないんちゃう?
好きな人とかに見られたら」

「おらへんよ
この人っておらへんねんなぁ
年上の人がいいけど
大学生やと遊ばれそうやし」

「あーわかる
なれてる感じやしなぁ
てか、みるきーと恋バナって
不思議やわ
あれ?いつも相談する人は?
よく内緒とか言ってる人」

「あーたまには
男の子から話聞きたかってん」

「そっかそっか
俺でよかったら
協力するで
てか、彼氏できたら
教えてやぁ?」

「分かった
じゃあ私帰るなぁ
スッキリしたしありがと」

ガラガラバタンッ

「…これでよかったん?
みるきー傷ついてたで?
俺、彩が嫌がってるって
思わへんし」

「いいんですこれで」

「いいって…
言われたように言うたけど
やっぱりおかしいやん
2人の仲悪くして一体
何がしたいん?」

「全ては計画通りフフフッ」

「…俺、帰るわ
じゃあな














凜々花」