「んーんー」
「彩達なーんか
最近ご機嫌やなぁ」
「そーか?」
「そんなことないんちゃう?」
「そーですよ」
「いや!ちゃうな!
あっ!彼女できたんか!
だれだれ!?」
「出来てへんって」
「ふーん
気のせいかなぁ?」
部活が始まって
みんな必死に打ち込む
また大会もあるし
遊んでる暇なんかない
集中するんや
(きゃー!百くーん!)
(愛梨ー!)
(凜々くんっー!)
(彩ぁー!)
「うるさいなぁ…」
ギャラリーに目を向けると
相変わらずの塊
応援してくれるのは嬉しいけど
邪魔されるのは腹立つ
黙っててくれんかな
少しキツめに見たのに
キャーキャー言うてるし
しんどいわもぉ…
「あ…」
見るのやめようって
思った時
後ろに美優紀ちゃんがいた
向こうは俺が気づいてることに
気づいてないみたい
話しかけたいけど
ギャラリーが邪魔や
練習終わるまでいてくれへんかな…
「おつかれー!」
真っ先にグラウンドから出る
塊に囲まれたけど
気にせず探したけど
いなかった
そう、やんな…
生徒指導の先生が
なんとか追い払ってくれて
部室に戻って着替えてから
校門を出た
はぁ…美優紀ちゃん
何でいたんやろ
会いに来てくれた?
ちゃうよな…
「はぁ」
「山本くん」
「なに…あ
美優紀ちゃん」
「ヘヘヘッこれ!」
「え?ゼリー?」
「前に言ってたやん
練習終わりは甘いもの食べたいって
でも甘すぎんの好きちゃうから
って言うてたから
調理実習でゼリー作ってん
沢山作ったから
誰かにあげたいなーって
そのとき浮かんだんが山本くんやった
食べてくれる?」
「ええん?」
「もちろん」
ゼリーは程よく甘くて
練習の疲れが
全部抜けていく気がした
「おいしいっ!ありがと」
「よかったぁー
ごめんこれだけ渡しにきてん
じゃあ 」
「あ、送っていく」
「ううん近いし
大丈夫やで」
「でも心配やし!
何かあっても困るから!」
「じゃあお言葉に甘えるな?
ありがと
山本くん優しいな」
「そんなんちゃうよ///」