ガチャッ

「彩たち結ばれたらいいなぁ」

「…」

「幸せになってほしいなぁ」

「…」

「恵?」

「お前は…バカか!」

「え」

「護衛もつけず!
美優紀連れていって!
彩が来なかったら
どうなってんか分かってんのか!
これやからお前はアホなんや!
脳みそ入ってんのか!!
てめぇの方がよっぽどガキじゃ!
少しは考えろこの脳なし!」

「なっ…悪かったけど
そこまで言わんでええやんか!」

「アホかホンマに…
しばらく部屋おれ
外に出るな!」

バタンッ!!

「な、なんなんよアイツ
あそこまで言わんでええやん
ムカつく…」

ガチャッ

(朱里様お着替えです)

「あー置いてて 」

(…朱里様)

「ん?」

(お言葉ですが
少し陛下のこと考えてあげてください)

「え?」

(陛下
朱里様が出ていった後
見てられませんでした
顔は真っ青で
大量の護衛を連れて
追いかけられたんです
…陛下は口は悪いですけど
朱里様のことが本当に大切で
失いたくないのです
…母上のように)

「っ…」

そうや忘れてた
アイツは誰よりも…

恵の部屋に急いでいった
部屋の隅で丸くなる塊

「恵…」

「…なに」

「あのさ…」

「来んな…出ていけ」

「…やだ」

恵に近づいて
ゆっくり抱きしめる
小刻みに震えてる
朱里最低や…
また傷つけてる

「ごめん…不安にさせて」

「っ…っ…」

「確かに脳なしやな
恵を傷つけてる」

恵は朱里の背中をギュッって掴む
その力がか弱くて
ますます心が痛む
だから安心させるため
もっと力を込めて抱きしめる

「怖いんや…
情けないのは分かってる
こんなんで泣くなんて
でも、俺朱里を失うなんて
考えたくない
頼むから…側にいてくれ」

「恵…
大丈夫、そばにおる」

「朱里…」

目と目が合って
自然と引き寄せられる
もうひっつくところで
恵が離れた

「恵…?」

「悪い…前みたいに
無理にするべきちゃうよな
さんきゅ…さっきは言いすぎた
朱里やって怖い思いしたのにな
今日は早く寝ろ
体休めた方がええ」

恵は朱里の頭を撫でて
微笑んで
部屋を出た


なんやろ…この気持ち
さっきやってそのまま
キスしてくれてよかった
今やって微笑んでほしくなかった
そんな切なそうにして
欲しくなかったのに
いたずらっ子みたいに
笑ってほしいのに…
この気持ち…なんなんやろか