(彩様、こちらへ)

「はい…」

お見合い
いつも以上に堅苦しい服
相手の方はもっと苦しそうやけど
この姫は綺麗や
才色兼備で申し分ない
きっと結婚すれば
誉れになるのだろう…

(彩様!綺麗ですね)

「そうですね…」


(彩くん!これ綺麗っ)
(美優紀走るなって)
(早く見たいんやもん)
(迷子になったら困るやろ)
(大丈夫やで!)
(え?)
(彩くんおるもんっ)

美優紀…
結婚したら当たり前やけど
美優紀といる時間
もっと削らないといけない
この姫を傷つけることなんてできない
何より美優紀を傷つけること…
終わらせるんや…この想い…
捨てへんと…

(外で賊が!)
(警備を固めろ!)
(王族のものが…)

まさか…
そんなわけ

「彩くん!!!」

え…?
美優紀…?
美優紀の、声が

(彩様どちらに…)

「…姫様
私はあなたの理想ではない
あなたを傷つけるだけ
私には…大切な人がいるんです」






「やだ!離して!」

「朱里様に触れるな!」

外に行くと
美優紀が必死に朱里様を守ってた
いつも守られてばかりやった
それが今は、守れるようになってる
涙で顔はぐちゃぐちゃや
誰や、俺の…俺の

「美優紀に触るな!!!」

「…彩、くん?」

(誰やお前)
(やるか?)

「来い…手加減なしや」

(うりぁぁぁー!)

一人一人ボコボコにする
美優紀を泣かせたのは誰や!
傷つけたのは誰や!

「彩くんっ!もういいからっ!」

「ハァハァ離せ!
許さねぇ…」

「彩くんっ」



「そこまでや!」

「…陛下?」

「騒ぎを聞いた
彩、落ち着け
美優紀が怯えてる」

上がった呼吸を整え
美優紀を見ると
俺の腕を必死に掴み
涙を流している…

「もう大丈夫や
警備のやつにそいつらを
連れていかせる
朱里のことは…よっ、俺に任せろ」

陛下は朱里様を
抱き抱えて馬に乗せた

「彩、どうする
美優紀も乗せていこうか?
このまま見合いを続けるなら
好きにしたらいい」

「国のために…」

「この国の頂点は俺や
俺を支えるのはお前や
お前が苦しんでいるなら
俺は自由にできひん
お前には幸せになって欲しい
彩、国を忘れろ
お前の気持ちは」

「私は…」

「美優紀、連れて帰るで」

バシッ

「…私が連れて帰ります
陛下はお先にお戻りください…」

「…そうか」

「ありがとうございます…」

「あぁ…出せ」