「美優紀ーおはよ」

「しゃーかおはよ…ゴホッ」

「ん?美優紀?」

「お腹しゅいた」

「そうか
すぐ作るなー?」

今日はなんか元気ない気がする
気のせいか?

「美優紀もういらんのか?」

「ごめんなしゃい…」

「いやええんやけど
んー?体調悪い…」

プルルルルrッ
「もしもしー?」

「あー彩
今日ロケあるから早めに来てほしいんやけど」

「あぁわかった

美優紀、準備は…」

「した」

「そっかええ子やな
じゃあ車いっててなぁ」

「はぁーい」


美優紀を送って
現場に向かう
ロケは結構楽しいものやった
オンエア楽しみやなぁ

「あ、すいません
このケーキください」

(あれー?山本さん甘いの苦手じゃ)

「あぁ持って帰るんです
あげたい人がいるんで」

(彼氏…さんですか?)

「そんなんちゃいますよ
もっと大切な人です」

「彩ぁー休憩やから
車戻るでー」

「あいよー」

休憩の間は
SNS更新して
写真撮って…
そう考えながら
携帯を開くと
朱里先生から大量の着信
美優紀になんかあったんか!?

「もしもし!」

「山本さんお仕事中にすいません」

「大丈夫です!
それより」

「美優紀ちゃんが熱出しちゃって
結構高いんで
病院に連れてきてるんですけど
お迎えこれそうですか?」

「あぁ…いや
えっと」

「一応私が見ておくことも
可能ですので
今は点滴してもらってて
心配はないですけど」

「あぁ…はい
わかりました…」


「彩どうした?」

「美優紀が熱を…」

「まじかっ!」

「岸野悪いけど
先に戻って
美優紀迎えに行ってくれ
安心させたいし
ロケも巻きでがんばるわ」

「わかった」

そこからスタッフさんに頼んで
巻きでロケを進めた
さすがに仕事をいい加減にできひん
美優紀を育てるには
どっちも大切やから



ガチャッ
「美優紀!」

「シィー
やっと寝たところなんや」

「そうなんか…」

「さっきまでなずっと
彩のこと呼んでて
帰ってくる?ばっかりや
やっぱり怖いんやろうな
熱も下がらへんし
しんどそうや」

「…あぁ」

「明日の仕事
別日に移すわ」

「できるんか?」

「やってやる
なめんなや
でも、一日しかオフにできひん」

「ありがとう岸野」

「ええよ
みるきー安心させたり
じゃあ私事務所に戻るわ」

「あぁ気をつけてな」


美優紀に近づくと
頬は赤くなって
息も苦しそう
触ると熱かった

「ごめんな…」

「しゃ…か」

「ん?」

「い…かない、で」

そう呟くと
美優紀の目から涙が流れた

「いかへんよ
ここにおる
美優紀…」

「ハァハァ…」

「…私はなんにも
できひんなホンマに」