「楓子ぉー飯は…」

ガサガサッ!!!

「あ、はいっ!すぐに」

「何隠してん?」

「い、いや何にも
うわっ」

「お見合い写真…
へぇーさすがお嬢様
そんな話もう来るんや」

「えぇ…まぁ」

「すんの?」

「したくないですよ」

「ふーん堅苦しそうやしな」

「そういう問題じゃなくて…
私には百さんがいますから
他の男性とはおつきあいできません」

「でも親大丈夫なん?」

「…ええ」

「嘘やな
喧嘩でもしたか」

「百さんには関係ないです」

「なんやねんそれ
せっかく心配したってんのに」

「…すいません」

「…あ、いや」

「夕ご飯の作りますから
待っててください」

「あ、楓子
…はぁ」

ブーブーブー
【着信】福本

「何の用や」

「不機嫌やね
楓子が来てるのに
喧嘩でもした?」

「うっさい」

「やっぱりか
理由はお見合いやろ」

「…やったらなんや」

「…楓子の話し聞いてやれよ」

「なんのことや」

「まぁっていっても
楓子は言わへんやろうな」

「だからなんや」

「楓子のお父さん病気でな
もう長くないんや
お父さんの願いは
楓子の花嫁姿みること
だからお見合いしようとしてるんや
お母さんは最近楓子が彼氏できたん知ってるから
その人でええって言うてるけど
百の姿みたらお父さん心配するやろうしって」

「まぁこんな姿のやつきたらな」

「でも一番は楓子自身や
やっぱり百の気持ちに自信がないらしい
俺、楓子に言ってん
百にプロポーズしてやれって
でも楓子
百さんを縛りたくないって
百さんは他にいい人がって
まぁーそんなこと言ってな」

「…ほぉ」

「まぁ結婚しろとは言わへんけど
もう少し安心させてやっても
ええんとちゃうか?」

「…うっせぇ」

「はいはい」

「なぁ俺が真面目になったら
笑うか?」

「喜ぶ」

「そうか
はぁ…用事で来たから切るわ」

「おう」

「…

楓子ちょっと出かけてくる」

「え、ごはん…行っちゃった」






「百さんどこ行っちゃったんやろか」

ガチャッ
「ただいま」

「お帰りなさ…ッ!?」

振り返ると百さんの
銀色やった髪の毛が
真っ黒になっていた

「どう…したんですか?」

「黒なんて何年振りや
もう黒にする気なかったのに」

「なんで…」

「黒じゃないとアカンやろ

結婚の挨拶はっ」

「結婚…?
誰と…」

「お前はアホなんか
俺、浮気してないけど」

「じゃ、じゃあ」

「お前じゃアホ」

「結婚って…
分かってますか?
私と結婚したら自由がなくなるんですよ?」

「自由すぎてやることんくなったからな」

「百さん…」

「許してもらえる気せんけど
気持ちだけでも伝わればな」

「許してもらいます
私の本当に好きな人だから」

「そうやといいけど
まぁええや
左手出せ」

「え、うわっ

きれい」

「まぁ安物やけどな
一応いるやろ
そういうの…」

「ありがとうございます
百さん」

「これでわかったやろ
不安になる必要ないねん
俺にここまでさせる女は
楓子だけやで」

「夢みたいです
こんな幸せでいいんでしょうか」

「当たり前やろ」

「百さん」

「なんや」

「ふつつか者ですが
よろしくお願いします」

「お、おぅ///」

「照れてるんですか?」

「はぁ!?照れるわけっ…ンッ」

「百さん大好きです」

「ホンマにめんどくさい嫁やで」