「彩」

「美優紀さん…してくれるんですね」

「うん
でも、ホンマに私は」

「あ、そうや
雑誌で見たんですけど
新しくできたカフェいい感じなんですよ
退院したら行きましょね」

「…彩」

「なんて顔してるんですか
俺、患者ですよ」

「…ごめん」

「カーテンしめて」

「うん」

シャーシャー

「おいで」

「…うん」

ベットに上がって
彩の腕の中に
やっぱり暖かくて
安心する

「患者の前でそんな顔したら
アカンやろ?」

「…でも私」

「明日手術なんやで
そんな顔されたら
俺、どうしてええか
わからへんやん」

「…怖いやろ?手術」

「え?全然」

「なんで」

「だって助かるの分かってるし
俺、死ぬなら
おじいちゃんになって
美優紀さん送ってから死ぬから」

「おじいちゃんって」

「まだ足りひんやん
二人の時間
ぜんぜん足りひん
やり残したことしかないのに
死ぬわけないやろ」

「彩…」

「ま、朝から眠れてラッキーや」

「…っ、っ」

「…泣くな」

「私っ…彩のことが好き
彩みたいに愛されへんとか
言うたけどっ…
今はきっと彩以上に…」

「…うん」

「茉由が死んで
もう失うものはないって
だから強くなれた
でも、彩と出会って弱くなったんや
怖い…
彩を失うことが怖いんや」

「アホやな
俺はここにおるやん
ほら…」

彩は自分の心臓に
私の手を置いた

「ちゃんとおる
一人になんかせえへん」

「茉由も同じこと言った
一人にせえへんって…」

「そうやなぁ
俺は二人分あるねん
茉由さんも強い持っててかなわんくて
俺に託したんや
俺は二人分の強い思いを持ってる
これに勝るものなんかないやろ」

「彩ぁ…」

「美優紀先生
俺は安心してる
先生が担当医やから
先生は誰より優しくて
患者さんを想ってる
だから皆助かるんや」

「…」

「大丈夫なんにも
心配せんでええ
ほら寝よ?
隣におるから
隈なんかできたら
かわいい顔台無しやで」

彩は私を抱きしめたまま
横になった
彩のぬくもりに包まれて
自然と目が閉じた



「バイタルは」

(安定してます)

「うん…彩」

「今から麻酔かぁ
起きたときしびれるんやろなぁ」

「我慢して」

「はーい」

「じゃあまたあとで」

「おぅ
あ、美優紀さん」

「ん?」

「起こすときは熱烈なキスがええなぁ」

「アホちゃう?
普通に起きて」

「チェッ」

「ちゃんと起きたら
…考えたる///」

「へ///それって」

「はい、麻酔お願いします!」

「あ、ちょっとー!」


「あぁもぉ」

「なんや楽しそうやったな」

「手術前やのに
緊張感なさすぎて」

「ハハッみるきーも
落ち着いてるやん」

「早く終わらせて
彩に服買ってもらうねん」

「あーあ起きて早々とばっちりやな」

「そう
だから絶対成功させる…」

「みるきーのその目久しぶりや」

「え?」

「助かるよ絶対」

「ありがと…
さぁ

はじめよう!」