美優紀さんの過去を
部屋のソファーで聞いた
話終えると
苦笑いでこっちを見る

「笑えるやんな
一番守りたかったものを
私が壊したんやから」

「…」

「最初な彩が茉由と重なってん
おんなじこと言うから
だから苦しかった
離れたいと思った
でも、今度いなくなられたら
私はきっと…」

ギューーーー

「いなくならへん
ずっとここにおるから
一人にしないから」

「ホンマに…?」

「ホンマに
ちゃんと支える
そばにいる
美優紀さんが笑えるように
俺がいるから
だからもう泣かないで…」

優しくおでこにキスを落とした
目を合わせたら
優しく微笑んでくれる
もう一度強く抱きしめた



目が覚めたら夜中やった
隣をみると
俺の腕に抱き着いて
眠る美優紀さんがいた
その姿が愛しくて頭をなでると
笑った気がした
申し訳ないがその手を離して
キッチンに行って水を飲んだ
またベットに戻ろうと
リビングを通る
本棚には難しいそうな本がたくさんあって
その下に万年筆があった
これは茉由さんにもらったやつか
見てみるとそれは壊れていた
ペン先には血が付いている

予想はついた
美優紀さんが自分の腕に刺したんや
腕の傷はたぶんこれ
そしてこの万年筆を隠してるってことは
きっと申し訳ないんやろ
せっかくくれたプレゼント
人を治す美優紀さんに上げたのに
自分を傷つけたんやから

「よし…」




「んっ?」

時計に目をやると
いつも起きる時間
隣には彼がいなかった
帰ったんやろうな
ベットから起き上がり
リビングに行くと

「…彩?」

机に伏せている彩
なんでこんなところに…
近づいてみると
目を疑った

「この万年筆…なんで」

壊れていたはずの万年筆が
直っていた
彩の手は黒くなり
顔にも墨がついている

直してくれたん…?


「んぁ…美優紀さんおはようございます」

「こ、これ…」

「あぁ大切なものやから
きっと直したかったんやろうなって
まぁ元通りではないけど少しは…」

ギューーーーー

「美優紀さんっ///」

「ありがとう…」

「…ええよ」

「大切にする…
プッその顔なに?
墨つきすぎ」

「え?うわホンマや
かっこわるいわぁ…ンッ!?」

「…好き///」