朝目が覚めると遅刻ギリギリやった

「お母さんなんで起こしてくれへんのよー!」

「起こしても起きひんかったんやろ
あーそうや
アンタの好きな芸能人テレビに出てたわ
なんかドラマ決まったって」

「そうなんやぁ」

「なんや
前までならギャーギャー騒いでたのに」

「そんなんやったー?
行ってくるー」

「はいはーい
あ、アンタ夜どーするん?」

「んーご飯食べてくる」

「美優紀ちゃん?」

「んーん…彼氏っ」




高層マンションの最上階
カギはもらっていたから
中に入る

「恵…まだかな」

付き合って二週間くらい
一度好きになったら
もう止まらない
ずっとそばにいたい

気を紛らわそうと
テレビをつけた

(KEIさんの
初主演ドラマは
大人気恋愛コミックの実写化です
お相手は人気アイドルの…)

ワイドショーを見ていたら
KEIのドラマの説明
恋愛ものなんや…

「これはKEIの話
だから
恵とは違う人別人」

テレビの中で
インタビューに答える恵
さわやかな笑顔と
優しい声…別人なんや


ガチャ

「ただいま」

「あ、おかえりっ!」

「なんやねん急に
慌てて
やましいことでもしてたんか?」

意地悪な笑顔
乱暴な言葉
そうこっちが私の好きな恵

「そんなわけないやろ
驚いただけ
早かったやん」

「まぁな
でも明日からドラマでさ」

「あぁそうみたいやね」

「リアクション薄いな
ファン失格やで」

「喜んでるって」

「ふーん
あ、恋愛ってとこ
気に食わへんのか」

「…」

「ハハハッドラマの中の話やろ
ホンマのことちゃうやん」

「そうやな…」

「…はぁ朱里」

「ん?…ンッ」

「どんだけ綺麗な女がいても
俺には朱里だけやし
朱里にしか興味ない
ほかの女はどーでもええ
近寄られるだけで虫唾が走る」

言葉は最低やけど
優しくて
愛を感じた
やっぱりこの人が好きや

「恵…」

「朱里…」

恵を抱きしめると近くに感じた
大好きなんやこの人が