「とにかく食べよっか」

「そーやな」

みるきーのご飯は
めっちゃ美味しくて
一人暮らししてるのが
よくわかった

「美味しいー」

「これも美味しいでー!」

「ホンマにー?」

「もぉ食べちゃったー」

「最低っー」

緊張して
変に気まずくなるかと思ったけど
やっぱり恵は優しい
いつも通り何もなく話してくれる

「あ、そうや
昨日のテレビ見たで?
恵頭良かったんやな」

「あーあれは
前もって答えもらってたから」

「えぇっ」

「そんなもんやで」

当たり前のように言う恵
やっぱり遠い人なんやんな
慣れてるんや

「仕方なかったから
そういう世界やねん
ごめんな?」

私に謝る恵
恵は悪くないやん
なんで謝るんよ

「恵…
朱里な?たまに思うねん
恵は遠い存在やなって
それは恵が悪いわけじゃなくて
どーしても自分が自信持たれへん
恵は私の憧れの人
テレビの中の人
遠い人
そう思ってきたから
いざ、こんな近くに来て
好きっていうてくれても
疑っちゃう…
でも朱里はな最近」

「…朱里?」

ギュッ

恵の服の袖を掴む
伝えへんと
怖くなんかないやん

フワッ

「え…」

恵は私の手に自分の手を重ねた
そして微笑んでくれた
その顔を見て
自然と…

「好き…」

「…」

「好きです…」

「…朱里
俺も好きや」

優しく抱きしめられる
初めて会ったときは
最悪の印象で
でもそれがだんだん変わった
芸能人のKEIに惚れてたのに
一般人上西恵に惚れた

「俺でええの?」

「うん…」

「俺、不安にさせること
多分いっぱいある
でも、朱里が好きやから
初めて好きになったから
ちゃんと守るから…」

「そんなことしなくてええよ」

「え?」

「守ったりせんでええ
ただ朱里のそばにいて
一番近くにいて
遠い人にならんとって」

「朱里…」

「朱里の前では
上西恵でいて…」

「上西恵でええん?
なんもないで?
性格悪いで?」

「ええよそれで
それがホンマの恵やから」

「っ…」

「ホンマの恵が好き」

「…めっちゃ嬉しい」

恵は強く抱きしめ直した
いい匂いがする
男やのに不思議やな

「大好きや…」