「福本先生」

「渡辺先生は…」

「今日は休み」

「え!?」

「あ、ほら
働きすぎやからな
疲れでミスが出ても困るし
休ませたんや」

「なーんや」

「…」

「ほら二人とも
診察あるやろ?
患者さん待たせたらアカン」

「はいー!」

バタンッ
「山本はいかへんのか?」

「先生、ホンマは
渡辺先生になんかあったんじゃ」

「え?」

「昨日の飲み会で
鈴木先生が…」

「…何を聞いたか知らんけど
酔っぱらいの話鵜呑みにしたら…」

「何で隠すんですか皆…」

「山本…」

「失礼します」

「待て」

「はい」

「今日上がったら
渡辺の見舞い…頼んだ」

「…分かりました」

バタンッ

「愛菜ええん?
あんなこと」

「山本はホンマに渡辺のこと好きで
心配してる
あいつにもそろそろ立ち直ってほしいから…」


(渡辺大丈夫か?)
(悪い…)
(看護師が手術室の電気ついてて
お化けかもとか騒いでてな
様子見に来たんや
何したかった?)
(練習したかったんや
メスを握る…
でも無理や
私はやっぱり外科医になれん)
(焦るな
ゆっくり練習すればええ)
(福本)
(ん?)
(山本を担当から外してほしい)
(どうした…?)
(あの子は…)
(似てるか?…茉由に)
(…言うこと全部そっくりや)
(優しいからな)
(時々被るんや…)
(今が前向くときかもな
てか山本、渡辺のこと
ホンマに好きみたいや)
(聞いた…でも、私には無理や)
(そうか?気づいてないだけかもな
とりあえず明日は休み)
(でも…)
(医局長命令や…な?)
(分かった)


「みるきー大丈夫かな」

「山本が何とかするんちゃう?」

「ふーん
なぁ愛菜
山本君のこと見て懐かしんでない?」

「んー?ばれた?」

「バレバレ
みるきーのこと追い回してた
愛菜にそっくりやもん」

「追い回してたって…
ま、確かにな
昔好きやったから
幸せになってほしいんや」

頼んだで山本