「どういうこと…」

「今日から渡辺先生に
ご指導頂く
山本彩です
よろしくお願いします」

「意味わからん
福本!どういうこと」

「どうもこうも
山本君の希望が
渡辺やったそれだけのことやろ」

「あり得へんやろ
今すぐ変えて
内科で手空いてるなら
山内先生とか色々おるやろ」

「俺、渡辺先生がいいです」

「はぁ?アンタなぁ」

「よかったやん渡辺
ま、期待してるで山本くん
じゃあ俺回診あるから」

「ちょっと待て!福本!」

「渡辺先生…?」

「はぁ…何をどう思ったか知らんけど
私に教わるべきじゃない
未来があるなら他の」

「俺、渡辺先生を尊敬してます
だから教えてほしいです」

「尊敬?どこを
君はアホかバカどっちかや」

「そうかもしれませんね
でも、何を言われても
担当を変えてもらうわけには
いきません
お願いします」

「はぁ…」

(渡辺先生、外来の患者さんが)

「今行く…
もう分かった相手しててもキリない
面倒見たる」

「ホンマですか!」

「ただし…絶対服従」

「分かりました!」

「分かりましたって…ホンマに
大丈夫なんか…?」



「そうですね心配なら
詳しい検査もしてみましょう」

(でも、先生の診察は15時までじゃ)

「大丈夫ですよ
安心してもらいたいので
すいませんレンドゲン室に案内して

ふぅ」

「先生コーヒーです」

「あぁ…てか君は
お茶くみの人ちゃうやろ」

「ヘヘヘ」

「まったく…」

「でも先生
ご飯食べてないし
休憩もしてませんよ?」

「疲れたなら勝手に休憩してき」

「いや俺は全然
先生が…」

「私は大丈夫
ご飯ならさっき
ゼリー食べたし
休憩するほど疲れてない
暇なら診察したカルテ整理しとって」

「分かりました」



「どう?山本くん」

「吉田さん…
んーよくわかんないです
でも、すごい優しい先生やなって
…無理してる気もするんですけどね」

「先輩頑固やしね
休憩もたまーにタバコ吸いに行くくらいで
ずっと働いてるし
家にも帰ってないから」

「え?じゃあ
病院に?」

「たまーに帰ってるけど
ほとんど病院におる
患者さん想いすぎて
自分のこと後回しやねん
そういうのは昔から変わってへんけど
でも、性格はめっちゃ変わった」

「吉田さんは
渡辺先生と大学が一緒なんですよね」

「うん優しいしかっこいいし
自慢の先輩
色々あって
あんなんやけど
ホンマにいい人やで?
山本くんは分かってくれてうれしい」

「いえ…」

「先輩のことお願い」

「わかりました」