「…先生…渡辺先生!」
「あっ…どうしたん?福本くん」
「大丈夫ですか? これ、クラスの進路アンケート」
「集めてくれたん? ありがとうね」
「…しっかりしてください」
「うんそうやんな ごめん…迷惑ばっかりかけて」
「俺はいいですよ 先生には感謝してもしきれへん 菜々さんとのこと…」
「何もしてへんよ」
「バレへんように 色々してくれてること 知ってますから それに俺らだけ…」
「なに言うてんの? 誰かに気を使って 自分の気持ち誤魔化すなんて …」
「先生?」
「そんなこと…アホにしかできひんよ」
「…」
「さて!仕事仕事 福本くんも帰り? テスト近いでー?」
ガラガラ
「無理しすぎやねん…二人とも」



「彩ー…あ」
(キャッ誰?)
「彩の友達」
(あ、そうなんや 私、彼女のー…)
「彼女ちゃうわ 早く出ていけブス」
(はぁ?なにそれ)
「ふぅ…うぜぇ」
(サイテー!)
バタンッ!!
「彩またか…」
「うるせ…」
「勉強は?」
「やめた」
「…」
「何やねん 説教たれんのか」
「呆れてんねん」
「そうか…山田は?」
「お前の為に残業」
「そ…」
「…大学どうすんねん」
「さぁな…」
「渡辺先生のことは」
「その話はすんなって 言ってるやろ!!!」
「そんなに荒れるなら 素直になれや…」
「うっせ… 早く帰れ!!」
「言われんでも帰るわ 言うとくけどな 今のお前めちゃめちゃ かっこ悪い 渡辺先生の立場考えるとかいうて 逃げただけやろ それで荒れて なんで迎えに行こうとか 考えに行かんねん ホンマ…クズやお前は」
バタンッ!!
「好き勝手言うなや お前も未だに山田に 手を出されへん糞ヘタレの癖に」
タバコをもう一本出して 火をつける
「もう一年か…」
机の上のノート あの頃アイツのためにって 必死に勉強して…
(なんで迎えに行こうとか 考えに行かんねん)
「迎えに…か」
もう一回頑張って 俺はええんかな
「ッチ…タバコ切れた」
俺はノートをテキトーに投げて タバコを買うために外へ出た