「店員さーん
ビールもーいっこー」

「はーい!
ったく…アホかアイツは」

渡辺は飲みまくってベロベロ
いつもは山田が止めるみたいやけど
さっき愛菜と一緒にどっか行った
ま、ひっついた感じかな
お互い好きどうし?ってやつやったし
俺には全くそういう気持ち
分からへんけど

「はい、生いっちょ」

「ありがとぉー」

(美優紀ちゃんめっちゃ飲むなぁ)
(ほんまほんま
今日帰られへんやろ?
送っていこか?)

「ホンマにー?
やったぁー」

(ほら、美優紀ちゃん
だんだん
暑くなってきたやろ?
上脱がへんの?)

「脱ぐぅー…フフフッ」




「…何してんねんアイツ」

「心配なら助けにいきや」

「なんで俺が
関係ないやんか」

「彩も素直になればええのに
渡辺先生のこと
ほっとかれへんくせに」

「教師らしくないからな」

「うんじゃあええやん
教師じゃなくて
一人の人間としてして見たら?」

「一人の人間…」

「そっ
てか、ホンマに脱がされそうになってる!」

「え?」

「彩、行ってこいって」

「いや、だから俺には」

「ええからほら!
店長命令」

「ッチ」



(美優紀ちゃん
すぐに涼しくしたるからなぁ)

「んー…」


「お客さんやめてください」

(あ?何やねん
俺らは親切やから)
(そーやそーや
てか、関係ないやろ?)

「そいつはそこらへんのやつと
ちがうんで
ほら、起きろおい」

(おい、待てや
黙って聞いとけば)
(ガキが調子に…)

「あ?表出るか?」

(い、いえ…)
(か、か、帰ります)

「毎度あり」

男たちは逃げていった


「ったく
おい、起きろ」

「んーあれ?山本くん?
なんでおるんー?」

「お前なぁ
悪酔いしすぎやから
あの男らに脱がされそうに…」

「また、助けてくれたん?」

「別にそんなんちゃうから
ほら、立てよ」

「だっこー」

「アホか自力で立て」

「ケチ…よいしょ…うわっ!」

「ちょいっ」

ドスンッ!!

「いてぇ…」

「ヘヘヘッ倒れちゃった」

渡辺はよろけて
俺に向かって倒れ込んで
俺は押し倒されて
今、俺の上に渡辺が乗ってる

「ヘヘヘッ~山本くんやぁ」

「タチ悪いわ…山田に迎えにこさせるか」

「山本くんが送ってー」

「嫌じゃ」

「バイクの後ろでギューしたい」

「黙れド変態が」

「私のこと…嫌い?」

「おぅ」

「さいてー…私は好きやのに」

「そりゃどうも
ええから早く…」

「本気やねんけどなぁ」

「あ?…ちょっ///」

渡辺は俺の頬に手を当てて
顔を近づけてきた
その目は潤んでいて
今まで見てきた
ガキみたいな表情じゃなかった

「キス…する?」

「はぁ?お前なぁ」

「…したい?」

そうやって言われて
唇に目をやると
潤っていってプルプルしてる
何より柔らかそう

「…したい?」

渡辺がしゃべる度
酒の匂いがする
その匂いに俺も酔ってきた

「…したい」

「可愛い…」

ゆっくり近づいてくる
俺は目を閉じた


でも待ってもなかなか来ない
目を開けると
俺の胸に頭を乗せて眠ってる

「はぁ…自由すぎんねん
俺も空気に流されすぎたし
あー…もぉ
どーしてん俺」