最近皆がおかしい
朱里は時々落ち込んでるし
まーちゅんはずっと
彩は優紀見る度焦ってるし
楓子はそわそわしてる

「恵」

「んー?」

「なんか最近皆変やね」

「んーそうかぁ?」

「気づかんのか…」

「まぁ…
愛菜気にしすぎちゃう?
あ、それか皆恋してるとかぁ?」

「恋…」

「ま、愛菜にはまだ無理かなぁ
まずは女性恐怖症
治そうな?大丈夫
すぐ治るって」

「うん…」

俺には母親がいない
正確には本当の母親
血の繋がってない母親がいる
本当の母親は俺を捨てて
男と出ていった
それがトラウマで女性恐怖症に
早く治したい…
ホンマはまーちゅんみたいに
彩とか朱里とかとハイタッチしたいし
ちゃんと近くで話をしたい
仲良くなりたいのに…できない

「恋なんかできるんやろうか」

ため息をつきながら
学校を出てバイクを走らせる

「キャッ!!」

「危ないっ!!」

ボーっとしてたせいか
飛び出してきた女の人に
気づかなくて急いでブレーキ
思いっきりハンドルを切って
何とか女の人には当たらなかったけど

ガシャーーンッ

「いてて…」

「大丈夫ですか!?」

「あ、大丈夫…」

少し距離を取る
でも女の子は構わず近づく

「怪我してる!
手当しなきゃ」

「いいからっ…ハァハァ」

「…もしかして
私が怖い?」

「っ…なんで」

「何となく
ごめんね?怪我さしちゃって
えっと、とりあえずこれくらいの
距離なら大丈夫?」

「…うん」

驚いた
今まで女が怖いって
気づいてくれた人はいなくて
いつも俺を失礼な人って済まされたのに
不思議な人や

「病院行かへんと
お金払うから
これ、連絡先」

「い、いえ大丈夫
擦り傷だけやし」

「アカン
こういうのはしっかりしないと
私のせいやし
あ…」

女の人は俺が持ってた花束に
目をやった
倒れてぐちゃぐちゃや

「この弁償代も払うな
ラナンキュラスか
花言葉は…とても魅力的
誰か励まそうとしたん?」

「…花言葉知ってる」

「うん、花屋で働いてるからね
君も花好きなん?」

「親が花屋やから
それに花は話さなくても
気持ち伝えてくれる…」

「うん、そうやんね
素敵やと思う」

「…笑わへんの?」

「笑わへんよ
口下手な君にはぴったりや
でもな話さへんと分からんこともある
それわかっとくんやで?
福本くん」

「名前…」

「そこに書いてある
私は山田菜々
そこの難波大の2年生
あ、神セブンの制服やな
すごいなぁ」

「そんなことは…」

「あ、じゃあそろそろ
私は…ッ!!」

菜々さんは突然足を抑えた
見ると足が腫れ上がってる

「あちゃ
くじいちゃってる」

「病院にっ…」

「そうやね
このまま行くわ
じゃ…おっとっと…ふぅ」

「…う、後ろ
乗りますか…
病院行きましょう」

「え?ええよ
女の人怖いんやろ?無理しんとき?」

「大丈夫…です」

「顔青いで?」

「大丈夫」

「じゃあ
お言葉甘えよっかな
苦しくなったら言ってや?
降りるから」

「はい…」