「先生…先生!」

「…」

「…」

先生に腕を引かれて
タクシーに乗せられる
何度呼びかけても答えてくれなくて
もう諦めた
そのまま家まで来た

「座って」

「はい…え、ちょっと」

先生は俺が座るとすぐに
俺の服をまくった

「なに、この肌の色
めっちゃ腫れてる
痛いんやろ?」

「大丈夫」

「だから嘘やん
そんなに腫れてて」

「…」

「私のせいなんやから…」

「俺はこの傷が誇り
先生を守れたから
まぁ彩に助けられたけど
だから…なんも言わんとって
ちゃんと冷やしときますから
じゃ」

「待って、なんで怒ってんの?」

「なんで?…はぁ
先生、鬼ですね」

「え…」

「なんで彼氏って言うたんですか?」

「それは…」

「あの人の断るために
オレの事使ったんやろ?」

「ちがっ…」

「さいてーや…
俺の気持ち知ってんのに
さいてーですよ!」

思いっきり当たってしまった
言ったあとに後悔
情けない
自分の気持ち報われへんからって
かっこ悪いもんやで…
先生は目に涙を溜めてこっちを見る

「…すいません
とにかく
俺、もう帰りますから」

「福本くん…待って」

「やめてください
また当たるから」

「理由説明したいから」

「理由?そんなん…聞いても
俺は」

「福本くんのこと
最初は優しい生徒
ただの生徒の一人でしか見てなくて
でも元彼に暴力受けてるの
初めに気づいて
心配してくれたんは福本くんで
いつの間にか福本くんを頼ってた」

「…」

「頼れる生徒
そうやった
でも、最近…それだけで
収まらへんくなってきて
…もぉ伝えたい」

「え?」

「福本くん…私は
先生やけど
失格かもしれんけど
福本くんが…好き」

「へ…」

「彼女にしてくれへん?」

「ええの…俺で
年下やし
しっかりもできひんし
それに…」

「福本くんがおったから
私がおるねん
私こそええんかな?
先生と生徒やから
いっぱい我慢させちゃう
年上やから可愛くもなられへんし」

「可愛いよ先生は
世界で一番」

「フフフッ福本くんは
私のこと甘やかしてくれるんやね」

「可愛い彼女ですから」

「ありがと」

「先生」

「菜々でええよ
二人のときは付き合ってるし」

「お、おぉ
じゃあ菜々…さん///」

「呼び捨てちゃうのー?」

「緊張するねん」

「ふーん
じゃあ…」

ギュッ

「うぉっ///」

「こーしたらどうなる?」

「敵わんわホンマに」

「ヘヘヘ…愛菜」

「あ、はい///」

「幸せにしてくれる?」

「頑張ります」

「うん、期待してる」