もしも、さやみるが
織姫と彦星やったら




「ねぇまーちゅん寝られへん
絵本読んで」

「りぃちゃんは可愛いなぁ
じゃあ織姫と彦星にしよ」

「うんっ」










「ふんふん~」

「上機嫌やなぁみるきー」

「朱里~そりゃそうやろ
だって今日は七夕
彩に会えるんやもーん」

「ホンマやな」

彩は隣の国の男の子
そして私の婚約者
小さい頃から一緒にいて
離れたくなくて
天の川で毎日おしゃべり
彩も私も仕事しなくて
遊んでばかりやった
それに怒った神様が
私達を離れ離れにしてあえなくした
私は毎日泣いて泣いて
彩は部屋に閉じこもって
仕事が出来なくなった
そこで神様が
ちゃんと働いてたら
1年に1回
この七夕の日に会うことを
許してくれたんや

「よし!天の川行ってくる」

「行ってらっしゃーい」

彩に会える
また大きくなってるんやろうか
期待で胸いっぱいやった
走って天の川まで行く
でも

「嘘…」

ずっと雨やったから
天の川が氾濫して
とても向こうにはいけない
何とか収まらないか
待ってみたけど
ますます酷くなる

「ただいま」

「あれ?みるきー早くない?
彩に会え…」

「ううん
天の川氾濫してた…」

「みるきー…」

「彩に…会いたいっ」

「泣かんとって」

「ちゃんと1年働いた
めちゃめちゃ頑張った
たくさん織物したし
お手伝いやって
彩に会うために
それやのにっ会われへんなんて
前も氾濫して会えるの遅くなって
今年は会われへんなんて
…やだ」

「みるきー…」

「彩の側にいたい…
もうやだ」




「美優紀」

「…っ神様!」

「この数年
お前たちは心入れ替え
真面目に働いた
言いつけも守った
これからもちゃんと働くか?」

「はい…」

「なら、もう二人を引き裂くのは
やめるとしよう」

「神様…ありがとうございます」

「今日は七夕
人間界では願い事をいう日じゃ
美優紀、願いは?」

「彩に会いたい!」

「…うむ
行ってきなさい」

「はいっ!!」



天の川の氾濫は無くなり
川に橋がかかった
急いで走って彩の元へ

「彩!」

「ッ!?美優紀っ!
川の氾濫が」

「神様が止めてくれた
もう引き裂くのもやめるって」

「ホンマか!?」

「うんだからもう…」

ギューッ

「よかった…もう我慢せんでいい」

「うん彩…会いたかった」

「俺もや美優紀」

1年というのは長くて
その分想いが強くなる
いくら抱きしめても
いくらキスしても足りひんくらい

「美優紀
人間界では俺たちのことが
伝説になってるらしい」

「そうなん?」

「織姫と彦星
俺らは沢山の人に見守られてる」

「じゃあさ
感謝込めて星流そう!
流れ星見てもらおう」

「ええな
よし、それっ!」

「それー!」

「皆幸せになれー!」

「なれー!」

「美優紀愛してるぜー」

「私もー!」






「こうして
織姫こと美優紀と
彦星こと彩は
末永く
幸せに暮らしましたとさ
めでたしめでたし
りぃちゃん面白かっ…」

「スゥスゥ」

「寝ちゃったか
可愛い寝顔…」

チュッ

「願い事はこれからも
りぃちゃんの寝顔を側で
見れますように…かな?」