火に包まれる部屋
どんどん燃えていく
宝物たち

「すごいな…
こんなにあっけなくも
燃えてしまうのか」

煙が部屋を覆っていく
呼吸が苦しい
頭がクラクラする
意識もはっきりしない

目の前に幻覚が見えてくる
これが昔
南が教えてくれた
走馬灯と言うやつか

私が生まれたときのこと
母上が私を嬉しそうに抱く
父上も笑顔で
横には朱里がいて2人で笑った
姉上は風車でわたし達をあやす

そうだ昔は
みんな笑っていたんだ
朱里と私で追いかけっこ
姉上がいつも注意して
母上が笑っている
父上はわたし達を見て
元気なことは良いと
また笑っていた


「忘れていた日々よ…」


あなたは泣いていますか?
わかっていました
あなたが戻ってこれないこと
敦子だけでも守れてよかった
やっと恩返しができました
私たちに尽くし続けた貴方に
笑ってください南
あなたの笑顔が私を救うから
南、ありがとう

敦子
いつも支えてくれました
あなたが助かったこと
責めないでください
大好きなあなたが助かった
それだけでよかったと思うから
南のことおねがいしますね?
泣き虫で心配症だから
支えないと
頼みましたよ
敦子、ありがとう

母上
もうすぐあなたの元へ行けます
迎えてくれますか?
皆、母上が好きで毎日取り合い
やったから
向こうでは私が独り占めできますか?
母上、私も大きくなりました
きっと驚かれます
楽しみにしていてください
母上、ありがとう

父上
将軍という重圧から
人が変わりました
でもきっとあるとき気づきます
昔、父上が志した
平和の世界を
戦では見えないのです
こんな大きな城では見えないのです
木の上に登って城下を見てください
そのとき気づくから…
父上、ありがとう

姉上
最後の最後まで迷惑しか
かけませんでしたね
もう一度会いたかった
私の決断は間違ってませんよね?
姉上、私を褒めてくれますか?
私は姉上が私たちの笑顔を好きなように
私も姉上の笑顔が好きです
どうかずっと笑っていてください
姉上、ありがとう

朱里
ずっと一緒にいて
ずっと隣にいた
何度も喧嘩したし何度も笑いあった
双子というものは凄いですね
ずっと繋がっているから
朱里は私の気持ちを
私は朱里の気持ちを
お互い理解していました
あなたがいたから私は一人じゃなかった
朱里、ありがとう


最後にあんな文を
送ってしまったこと
ごめんなさい
優しいあなただから
責めることでしょう
でもそれは間違い
だって私はあなたの最も恨む男の娘
なのですから
だから正しいのです
あなたは私の光でした
初めて恋を教えてくれた人
ありがとう
彩、恋は素晴らしいですね
幸せになれる
人に優しくなれる
彩、ありがとう

「我が人生…素晴らしいものだった
皆ありがとう

…さようなら」