夜は寂しくて仕方ない
傷口が痛むのも
寂しさで増してくる

(死ぬなよ)

犬の癖に優しいやつやった

「あーあホンマに惜しいなぁ」


(あれー?猫やん)
(捨て猫?)
(あ、でも首輪あるで)
(飼い猫かー)

何度も聞いた言葉
私の飼い主やったやつは
ずるすぎる
捨てたくせに
首輪を外してくれへんかったら
例え飼ってくれそうな人が現れても
首輪を見て
飼い猫かーといって
去ってしまう
だから私はいつまでも
飼い猫野良猫なんや

「体が痛い…
寒い…
辛い…苦しい」

あいつは死ぬなと言った
死ななかったらええことある
アイツ自身
飼い主とであって変わったって
でもそれは奇跡や
そんなこと私には起きひん
このまま目をつぶって
覚めなければええのに
寝たままそのまま
楽になりたい

「猫…」

誰?

突然目の前に現れた男の人は
私を持ち上げて呟いた
目はキラキラしていて
すごく暖かい匂いがした
この人に拾われたら
幸せになれるんかな…

「捨て猫か?
あ、でも首輪…飼い猫か
おうち抜け出したらアカンやろ?
帰りやー?」

そういって撫でて去っていった
ほらな…
やっぱりわかってくれへんねん
生きてて意味あるん?
こんなに苦しいのに…

もう嫌だ

そう思って目を閉じたら
いい匂いがした
薄目を開けると目の前にご飯が
顔を上げると
さっきの男の人

「お腹すいてるんやろ?」

なんで…

「よく考えたら
君、捨て猫なんやな
ひどい飼い主や
首輪外さへんなんて
えっと…菜々ちゃんって名前なんやな
うん可愛いやん」

そう言って私の首輪を
取ってくれた

「怪我してるし
こんな可愛いのに
一人でおったらアカンやろ?
よいしょ…俺のところおいで」

私を抱きしめて
そう言ってくれた
拾ってくれるん??
私のこと




「よいしょ狭いけど
今日からここが
菜々ちゃんの家やからな」

狭いんかな?よくわからへん
てかここって

(ワンワンッ)
(こらー彩くん)


「ハハハッお隣さん楽しそうやなぁ
まぁお隣さんも犬おるし
ここペットOKみたいやから大丈夫やな
俺は福本愛菜
よろしくな菜々ちゃん」

ホンマに私のこと拾ってくれんの?
後悔するんちゃう?
こんなよくわからん野良猫

「君は不思議やなぁ
よいしょ…抱きしめてたら
嫌なこともぜんぶなくなるみたいや
すごいな…
これからは菜々ちゃんがおらんと
俺やっていかれへんな」

ニコって眩しい笑顔

その言葉が嬉しくて
私は愛菜さんの顔を舐めた

「ハハハッ気に入ってくれた?
やったぁー」

なぁ彩
アンタが言ったことホンマや
運命の飼い主に出会って
私も変わったで…
生きててよかった