「泣かしてしまった」

演技かもしれない
ホンマに彩を狙って
なにか企んでるのかも
でもそうには見えなかった
ホンマに彩が好きで
俺らと同じ目をして
あいつの事を話していた

「ふぅ…」

「百っ」

「美瑠…どーした?」

「元気ないから」

「んー?そんなことねぇーよ」

「美優紀様を
傷つけたこと?」

「お前っ…なんで」

「見てたから」

「そうか
…最低やな俺は
彩の好きな人を
彩を好きな人を
傷つけた」

「でも多分
お兄ちゃんでも私でも
おんなじこと言った」

「そうか…」

「気づかへんお兄ちゃんが
おかしいねん
あんなすごい高いお着物着てるのに」

「彩疎いからな」

「ホンマに
心配になる」

「ハハハッ美瑠大人になったな」

「うん
必死やもん
二人に追いつくために」

「え?」

「百もお兄ちゃんも
いっつも私を置いていくから
お前は危ないからって
お前は子供やからって
でも分からへんやろ?
置いていかれた人の気持ちなんか
どれだけ心細くて寂しくて
お父様が亡くなったのも
知らなかった
家でただ皆の無事を案ずることしか
私にはできなかった」

「美瑠…」

「なぁ百
次、もし戦が起きれば
私も連れて行って?
例え危なくても怪我してもいい
一人に…しないで?
お願い…」

「…ダメや」

「百」

「お母さんがおるやろ?
誰が守るんや
俺らは置いていってるんちゃう
俺らは国を守る
だから美瑠には
家を守ってほしいんや」

「家を…」

「例え戦に勝っても
帰る家がないのは嫌やから
だから美瑠が守ってくれ
一人なわけあるかい…
俺がそばにおる」

「百…」

「でもそんなこと思ってるとは
さすがに成長したんやな
ずっと子供やと思ってたから」

「成長するもん!」

「そっかじゃあ
もう…我慢せんくてええんかな」

「我慢…?」

「ん?…美瑠のこと
好きやって伝えてもええんかなって」

「へ…?」

「あれ?意味わからへん?
やっぱり子供?」

「ちゃうわっ!
いや、でも好きって言われても…」

「困るか?」

「そんなんじゃない!
ただ百のこと
異性として見ては」

「じゃあこれから見てくれ
異性として男として」

「う、うん」

「ならよい…
さてと
畑でも耕してくるかなぁ」

「行ってらっしゃい!」

「おぅさんきゅ」