「渡辺さんおはよ」

「おはよ」

学校行ってる途中に
山本くんに会った

「もーすぐテストやんなぁ」

「そーやね」

「渡辺さん学年1位やもんなぁ」

「う、うん」

「すごいよなぁ
俺サッカーしかできひんわ」

「そうなん?」

「そーそ
頭のほとんどサッカーみたいな?」

「フフフッ」

「あのさ」

「ん?」

「良かったら…勉強
教えてくれへん??」

「え?あぁいいよ」

「ホンマに?
やったぁー!」

「そんなに喜ぶ?」

「そりゃ渡辺さんの…
オホンッ…なんもない///」

「??」

「いや、ほんまに
えっとじゃあ
今日とか時間ある??」

「あるよ」

「じゃあ俺の家来て」








「今飲み物とってくる」

山本くんの部屋
すごい落ち着いてる
もっと散らかってるかと思ったけど
そんなことなくて
綺麗でちゃんとしてる

「あ、これ」

1枚だけ…昔
写真を撮った
太陽が嫌いな私のために
遊ぶときは
いつも木陰にしてくれた
だから暗くて
ほとんど顔は見えてなかった
でも私はとびっきりの笑顔で
すごい楽しそうやった

「幸せ?となりで笑えて…」

ガチャ

「渡辺さんお茶…ん?」

「あ、いや
山本くんちっさいなぁーって」

「あーそんとき
ホンマにチビやったからなぁ」

「へぇ…」

「あ、この子
この子が前に言ってた子」

「うん」

「きもいやろ?
こんな昔の写真
机に飾って
引くやんな?」

「そんなことない
きっと…この子嬉しい」

「ありがと」

「うん…」

「はぁ…そろそろ
卒業せぇへんとなぁ」

「卒業…」

「でもな無理やねん
やっぱりさ
この子が出てきちゃって」

「この子のどんなとこがいいん?」

「どんなとこ…か
うーん
やっぱり笑った顔かな
すごい幸せそうに笑って
それでなすごい優しいねん
人のために泣けるっていうか」

優しい顔して話す
そんな顔しんとって…
私は…そんな風に
思われていい人じゃ…

「渡辺さん?どうしたん!?
キモすぎて涙でたん!?」

「ちがっ…違うから
ごめん今日は帰る」

「待って!何があったん」

立ち上がろうとする私を
止めようとした山本くんは
勢い余って
私を押し倒した
その衝撃で
隠していた胸のピックのネックレスが

「…え?これ」

「…」

「じゃあ…渡辺さんが
あのときの…」

「っ…」

「待って!渡辺さんっ!!!」

急いで家を飛び出した