「ありがとうございました…」

美優が松葉杖をついて出てきた

「骨折やって
ヒビ入ってて折れたみたい」

「そうか…」

「ふぅ…」

「ほれ」

「またぁ?」

「当たり前やろ
ええから乗れよ」

「ありがと」



「ごめんな?
来てくれたのに…」

美優は結局優勝することは
できひんかった

「でも3位やん
すごいで」

「…アカンねん
こんなんじゃアカン」

「なぁ」

「ん?」

「無理すんなよ
ホンマはお前は弱くて」

「また知ったこと…」

「知らんよ
お前のこの数年?
でもこれからは
一番近くで見たいと思う」

「え…」

「美優…伝えたいことあるって
言うたやんな
俺は…」

「待って…やめて
私、そんな大切なこと
さーちゃんに言われる資格ないねん」

ホンマにコイツはどーしよーもない
何言うてんねんホンマに
俺は美優を近くの公園のベンチに
美優を降ろした
美優は涙を流す

「資格?
そんなん俺の方がない
さんざん傷つけて
今更俺が言う資格ない
ないけど、伝えたいんや」

「さーちゃん」

「あのとき
俺は周りから
美優とのこと色々言われて
恥ずかしかった
だから美優を傷つけた
謝ったって許されへんと思う
たくさん泣かした
たくさん傷つけた
だから今度は
今度こそは俺に美優を守らして

好きなんや…ずっと」

「…ホンマに?
嘘ちゃう?」

「ホンマや
美優
もう頑張らんでええから
こんな足にならんでくれ
心配やから…」

「さーちゃんっ…」

「ん?」

「私も好き…」

「…うん」

「大好きっ
一緒にいられんかった分
側に…いてください」

「…うんいるよ
ちゃんといる」

「…だき、しめてっ」

「うん」

ゆっくり抱きしめる
柔らかくて小さい体
昔と違う
あのときは胸なんかペッタンコ
匂いも太陽の匂い
それやのに
胸も膨らんで
匂いやって女の人
もう俺が知ってる美優ちゃう
成長したんや…

「さーちゃんに
抱きしめられるなんてなぁ」

「なんやねん」

「手、震えてるで?」

「うっせ」

「ごめんごめん」

「美優」

「ん?」

「目、つぶって」

美優は俺が言おうとしてることを
分かったみたいで
少し赤くなって
目を閉じた

少し唇を
ウッってして
めっちゃ可愛いなぁなんて
思いながら

「ンッ」

小さい頃は
遊びで何度もしたキス
でも今は違う
お互い女と男を
意識してしてる
幸せや…

「さーちゃん」

「見、見んなっ」

「可愛いっ」

「あーうるせぇ
ほら、帰るで」

「はーい」

もう一度背負うと
めっちゃ力を込められた

「苦しいわ」

「へへへっー」

「ほーら帰るで」

「うん」

やっと素直になれた
ずっと気づけなくて
触れれなかったこの気持ち
もう大丈夫
今の二人ならきっと
幸せになれる

大事な幼なじみで
大事な彼女。

end