「第17位…」

アンダーガールズに呼ばれなかった
その瞬間涙が出た
まだ分からない
分からないけど
選抜に戻れるかもしれへん

16位、15位と呼ばれていく
名前が呼ばれない
そして

「第12位…渡辺美優紀っ!」

呼ばれたとき
自然とできたガッツポーズ
嬉しくて走り出しそう
そんなとき彩ちゃんと目があった
手を挙げて笑顔で
だから真っ直ぐ
その手に自分の手を合わした
多分私が一番
ハイタッチしてるのは
彩ちゃんや

スピーチを言ってる間
聞こえるみるきーコール
彩ちゃんへの気持ちや
NMBへの気持ち
ちゃんと伝えた
お母さんおばあちゃんへも
満足、幸せや…でも







(みるきーおめでと)
(おめでとー!)
(おかえりっ!)

楽屋に戻るとかけられる
言葉たち
一つ一つにお礼を言って
あの人を探す

「みるきー」

「けいっち」

「おめでと」

「ありがと」

「あの…」

「さや姉なら
あっちおったよ
ホンマに強がりやんな」

けいっちは苦笑いして
横を通り過ぎた

楽屋の隣の
空き部屋を開けると
小さくなった彩ちゃん
やっぱり…

「みるきーか?」

「なんで分かったん?」

「そんな気がした」

彩ちゃんは俯いたまま
話した
小さくなった彼女のそばにいって
頭に手を置くと
彩ちゃんは震えだした

「ちっくしょ…」

「うん」

「自分が情けないんや
この一年ホンマに仕事の幅が増えた
知名度も上がった
だから1位にだってなれるって
けど私は…」

「彩ちゃんは頑張ってる」

「美優紀が言ってること
ちょっとちゃうねん
確かに私は先に行ってるかもしれん
でも…何もできてへん
NMBのために
ホンマは選抜の私が
もっとNMBを売り出さへんとアカン
のに…」

そう結局
彼女は人の事なんや
どれだけ売るか
どれだけNMBブランドを広めるか
それだけを思ってた

昔前田さんが
さや姉は高みなに似てるって
自分を犠牲にしちゃうところ
だから支えないと潰れちゃうって
ホンマにそうやな
勝手に潰れちゃいそう

私は彩ちゃんの正面に座って
顔を上げさせた
ステージでは
キリッとした目をしてたのに
今はずいぶん幼い目や

「ごめんな彩ちゃん
この一年一人で戦わして
これからは私も一緒に
NMB売るから
一緒に頑張るから
支えるから」

「美優紀…」

「だから今は
私がいるから自分の事
考えて?」

「っ…」

「笑ってる彩ちゃんが
私は好き」

「…ごめんっ
私、まだ言えてない」

「ん?」

「美優紀…
選抜が美優紀の場所
遠慮せんでええから
もっと前に出てええから

おかえりっ」

彩ちゃんは私の大好きな笑顔で
言ってくれた
だから私も
彩ちゃん以上の笑顔で

「ただいま!」

そう言った