「美優紀様、殿がお呼びです」

「…わかりました」

部屋でくつろいでいると
世話係に呼ばれた
理由はわかってる
絶対…

「失礼します」

「美優紀座れ」

「はい…」

「うむ、明日は早く起きて
ここへ来なさい
東方から来客だ」

「…またですか」

「そうだ、そろそろ決めろ
逃げるのではない
お前はこの家のために
よりよい武将の元へ」

「しかし父上」

「黙れ
お前は私の駒
黙って従えば良い
話は以上だ出ていけ」

「…はい」

「あぁそれと
明日には恵は東方へ行く」

「え?」

「嫁ぎ先は今名を上げてる武将」

「なんで!」

「それが恵の喜びだ
現にアイツも喜んでいた
この上ない喜びと
自慢の娘だ」

「自慢…?
それはアンタがっ…ンーンーンッ!!!」

「殿、失礼いたします
美優紀様のお稽古の時間ですので」

「うむ、頼む敦子」

「はい」



「プハッ!!何するん敦子!」

「失礼いたしました」

「…」

「申し訳ありません」

「ううん分かってる
私が悪い
父上に…殿に逆らえば
私の首は飛ぶ
あの人はそういう人
私を娘と思っていないのだから」

「美優紀様」

「姉上のところへ行ってくる」



コンコンッ
「入ります」

「美優紀
珍しいなあなたが
麩を叩くとは」

「…姉上」

「何も言わないでください
これが運命
女は殿方の出世のため
人生をかけるのです」

「姉上…行かないで」

「母上が仏になってから
幼いあなたたちを
立派にするために
精進してきました
よかった…」

「何を…私も
朱里も…まだ」

「立派な女です
二人は私の誇りです」

「姉上…」

「美優紀
今から数分
私は独り言を話します」

「…」

「私もホントは
決まりなど守りたくなかった
稽古をしたくない
けど、全ては美優紀、朱里のため
二人がいたから頑張れた
父上の言う事を聞きたくない
本当に好きな人と結ばれたい
何より…大好きな
大切な美優紀と朱里から
離れるなどしたくありません…」

「あ…ねうえ」

「美優紀、本当に
慕いあげる殿方と結ばれなさい
私はあなたの笑顔を見たい。」

「…わかりました」

「ふぅ…行きなさい」

「…はい」


部屋を出ると
中からなく声が聞こえる
昔からそうだった
姉上は一人で泣く
そばに人を置かない
昔から姉上のことを尊敬していた
いつか私も姉上のようにと…

(殿、お酒を持ってきました)
「うむ…ふぅ愉快じゃ」
(え?)
「恵が嫁げば更に都に金が集まる
渡辺も安泰じゃ…
それにしてもアイツは
よく動く駒よのぉ…ハッハッハッ」

ふざけるな…
母上を心労で殺したくせに
その母を支え
わたし達を育て上げた姉上も
また、駒のようにっ!!!
言ってやろう、
首がとんでも構わない
姉上を侮辱したこと
決して許さない
そう思い、足を踏み出したとき
脳裏に姉上の言葉が

私はあなたの笑顔を見たい。

「っ…」

私は居られず
お城を飛び出した