2年前


(まーちゅんおもろい)
(まーちゅん!)

俺はクラスの人気者
毎日が楽しくて仕方なかった
だから気になった

(渡辺さん怖いよな)
(愛想悪いし)

全然笑わない君のこと


(まーちゅんどこ行くん?)

「ん?ちょっと」

放課後遊びに誘ってくれる友達
それを断って図書室に向かう
いつも君が本を読んでる
それを眺めるのが好きやった
それやのに今日は来ない

「どうしたんやろ…」

仕方なく帰ろうと思ったとき
渡り廊下の影に
うずくまる君を見つけた

「渡辺さん!?」

「…うぅ」

「大丈夫!?貧血?なに?」

「…ハッ!!!」

突然目を見開いた
そのとき目が紫になって
牙が生えてきた
不思議と恐怖はなかった
驚きが勝ってたから

俺が何もできず固まってると
渡辺さんは震える手で
カバンを漁って
血の入った試験管を出して
血を飲んだ
すると目の色が元に戻り
牙も消えた

「…ハァハァ」

「大丈夫?」

「ハァ…なんで逃げへんの?
アホちゃう?」

「いや、苦しそうやったし」

「…まぁええわ
ちょっとこっちきて」

「え?」

「大丈夫、血吸わへんから」

言われとおり近づくと
オデコを合わせられた
顔が近すぎて
思わず飛び退いた

「なに?」

「い、いやっ!近すぎるって!」

「記憶消すから」

「記憶?」

「わかったやろ?
私はヴァンパイア
記憶消さんとアカンの」

「消えるって…どこまで?」

「どこまでって…私がおったの
忘れるくらい?」

「嫌や!」

「ちょっと!」

「じゃあ俺の渡辺さんへの気持ちも
なくなるんやろ?
そんなん嫌や」

「気持ちって…」

「俺、渡辺さんのことすきやから
その気持ちなくなるのは嫌や」

「何言うてんの?
てか、好きって
私はヴァンパイアやで?」

「関係ない…」

「…アホらしい」

「アホでもええし」

「後悔すんで」

「せーへんよ
俺、渡辺さんのこと知れて嬉しい」

「プッ…アンタ変わってんな」

「あ…」

「え?」

「笑うんや…」

「っ///」

「そのままでいいから!
俺、これから渡辺さんのこと
笑かす!だから一緒にいて」

「…勝手にすれば?」


それから俺は
渡辺さん…リナに引っ付くように
毎日一緒にいると
少しずつ知れていけるのが嬉しい

「なぁリナ」

「なに?」

「あの時俺の血吸わへんかったんなんで?」

「…」

「別に俺はリナとおれれば
吸われても…」

「アホなこと言わんとって
吸われた後のこと知らんやろ!
激しい痛みが定期的に襲って
めまいとかも起きて…」

「リナ…」

「っ…もういいから」

リナはいつも一人になろうとする
冷たく見えるけど
ホンマはあったかい人
誰かを巻き込むのが怖いから
リナ俺は君を守りたい