夜の街
ギラギラしたラメが
街を覆っている
その中をまっすぐ歩く

着いたのは路地裏の派手な店
エントランスの黒人のセキュリティ
私の体をボディチェック
下品な笑いをして
ベタベタと触る

「俺と…遊ばない?」

私は首に手を回して
そのまま耳元で囁いた

「彼が中にいる
アンタはタイプちゃうねん」

そのまま軽く押して
中に入っていく


店の中は
大音量のBGMで
皆踊り狂ってる

歩く度にいろんな男に
体を触られるけど
全部無視して彼を探す

一週間前
私のことを抱くだけ抱いて
捨てたやつ
高校の頃の先輩
上西恵
久しぶりの再会をして
飲みに行って
そのまま抱かれた
昔から軽いことをよく知ってた
でも彼氏にふられたばかりの私は
寂しくて抱かれてしまった
耳元で呟かれた愛してる
その言葉のせいで体しびれた

抱くだけ抱いて
そのままさよならなんて
都合良すぎる
私は昔アイツが好きやった
正確には今もやけど
だからこそ許さない

これは愛のギャンブル
勝つか負けるか
負けたらオケラや

「…いた」

カウンターで
女と口づけを交わしてる
私のこと覚えてる?
覚えてなくても
一発殴らせろ

(お姉さん可愛いなぁ)

「…触らんとって」

(ええやんか、なぁ)

「うっとうしいっ!」



バシッ!

「これ、俺の女…失せろ」

(チッ…)

「大丈夫か美優紀
って…プッ、何その格好」

「ここに入るためには
これくらいせんとやろ?」

大きく開いた胸元に
体のラインがわかる服

「アカンやろ?」

「何がよ」

「美優紀のこと皆狙っちゃうやん
俺のやのに」

「アンタの物になった覚えない」

「おいおい
あんなに熱い夜を…」

余裕そうに話すこいつがムカついた
私はこんなにドキドキしてるのに
だからつい…

「私は!
私だけ見てくれる人じゃないと無理
さよなら!」




彼はいなかった
あれは人違い
よく似ていたけど
そう、おらんかったから
殴ることできひんかった
それでええねん
もう忘れよう

ガシッ!!

「美優紀!」

「…なに?」

「ハァハァ…ったく
お前責任取れよ」

「なにが?…ンッ」

「オレの事本気にさせやがって
あんな風に泣かれたら
笑ってほしくなるやんか」

「…」

「はぁ…一途に生きるとか
俺らしくないのになぁ」

「じゃあ今まで通り」

「しゃーないやろ
好きな女の悲しむ顔みたくないんやから」

「…恵」

「ま、ええわ
とりあえず
帰るで?責任とってもらうから」

「責任って…」

「ん?
とりあえず今日は
俺のおうちにお泊り
ほら、行くで」

最低最悪
自己中男
けど…たまらなく好きなんや
愛のギャンブル
私の負け
つまり私は…オケラや