母さんの病室まで走り
そして扉を開けた

「あの…お父さ…ッ!!!」

「ッグ…ッグ
ごめん、ごめんなぁ
お前1人苦しめて
ホンマに…ごめんなぁ…」

母さんに抱きついて
泣くお父さんがいた
そのとき
菜々の話が胸に刺さった
私はずっと何も知らんかった
ホンマに一番辛いのは
お父さんやったんや…

「お父さんっ」

「…恵
、どうやら山田に聞いたみたいやな」

「はい…全て」

「勘違いするな
今までお前が思ってた通り
俺は最悪の父親や…」

「…私、今までずっと
お父さんが憎かった
なんでこんなに我慢しないと
アカンのかって
けど…もういいじゃないですか
皆我慢してた、お互い傷つけたくなくて
守りたくて
自分が傷ついた
だから…」

「黙れっ…」

「生まれたこと何度も後悔した
何度も自分に問いかけた!
でも、今は後悔なんかしてない
お父さんとお母さんの子で
よかったよ…」

「っ…っ…黙れっ
俺はお前を傷つけた!
笑顔を奪った!
お前を不幸に…」

「幸せやで私は
だってお父さんとお母さんに
こんなに愛された
それにね、私大切な人に出会えた
その人のおかげで変われた
幸せやってすごい思う」

「…やめろ、恵っ」

ギュッ…

「ありがとうお父さん
守ってくれて…」

「ッグ…ハァ…大切な人って
さっきの女の子か?」

「うん、理解してくれた
何より私にはあの子しかおらん
認められることちゃうけど
それでも幸せやねん」

「そうか…」

「会ってよ…お父さん」

「会わない」

「…ッ!!!」

「こんなボロボロの姿
見せれるわけないやろ
今度家に呼びなさい
恵介も待ってる…」

「お父さんっ…」

「うん」

多分初めて見た
お父さんの笑った顔
私にそっくりやった






病室から出て
病院の外の柱に
もたれかかってる
愛しの彼女
思っても見なかった
こんなに大切な人ができるなって
お父さんの笑顔見れるなんて…
全部彼女がいたから
彼女に出会えたから

「恵何してんのー?」

「いや、朱里綺麗やなぁーって」

「何それ…フッ良かった
上手く行ったんやね」

「うん、今度家おいで
弟に会いにいく」

「そっか
おしゃれせんとなー」

「これ以上可愛くなられると
困るんですけどー」

「あー恵ちゃんやのに
恵くんの部分出てるで」

「ホンマや…朱里の前やと
どっちも出る」

「…よかった
あーお腹すいたなぁ
どっかのカッコイイ人が
奢ってくれへんかなー」

「お嬢さん
奢りましょうか?」

「あらー素敵っ
よろしくってよ?」

「なにこれっ」

「ハハハッ」

こんな自然に笑えるようになるなんて
それは君が
ホントのワタシを見つけてくれたから
朱里
ホントのワタシを見つけてくれて
ありがとう
愛してるで

END