「何や…久しぶりやな」

「はい…」

「じゃあな」

「待ってください…
お母さんから聞きました
子宮がどうとか
お父さんを変えたとか」

「っ…そうか」

「どういうことですか」

「…関係ない
じゃあな」

「お父さんっ!」

「恵っ」

「菜々…」

「旦那様と奥様二人にしてあげて
恵が聞きたい話は
私が話すから…」

「菜々知ってるんか?」

「私もつい最近
朱里ちゃんも来て」

「うん…」


病室を一つ貸してもらって
話をすることにした


「あんな、恵
奥様と旦那様は周りの反対を
押し切って結婚してん
奥様は一般の家庭の人やから
旦那様のお母様は反対し続けた
そして恵が産まれた
跡取りが必要な上西に産まれた
女の子
お母様は奥様を責めた
旦那様は必死で奥様を守った
でも経営不振にお母様の圧力
旦那様は精神的に壊れて
あの日、恵にハサミを向け男にした
もちろんそれで問題は解決しない
跡継ぎを作ろうと必死やった
けど…
奥様は子宮ガンになってん」

「ガン…?」

「そ、全部摘出しなければ
奥様は死ぬ
もちろん旦那様は奥様の命をとった
子宮をとってからますます
お母様からの別れろっていう圧力
旦那様は暴力に走った
そして落ち着いた時におこる
自己嫌悪
奥様はそんな旦那様を見れずに
ついに、ある提案をした」

「提案?」

「他の人と結ばれること」

「じゃあ…恵介は」

「そう奥様が望んで
ほかの女性に頼んだ」

「…じゃあ私はずっと」

「私やってずっと
勘違いしてた
でもな旦那様ずっと無理してた
みたいやな
恵に嫌われようと必死やったわ」

「なんで私に…」

「例え精神が異常やっても
娘に辛い思いさせ続けたからな
だから嫌われて上西から
逃げさしたかったんやな」

「…お父さん」

「旦那様な毎晩
里香様からくる
恵の資料をな幸せそうに
読んでてん
恵のこと大切やってんで」

「私だけなんも知らんくて…
傷つけてたん?」

「違うそれは
恵やっていっぱい傷ついてきた」

「でも…」

「なぁ、恵
朱里は聞いたことしか
分からへんけど
でも今の恵にできるのは
過去のこと嘆くんちゃうくて
今、お父さんのとこ
行くことちゃう?」

「朱里…」

「朱里はここで菜々ちゃんと
待ってる
ずっと待ってるから
行っておいで」

「…」

「恵、ほんまは
お父さんのことも
お母さんのことも
大好きやろ?
今行かへんと後悔する」

「…わかった」

「行っておいで」

「行ってくる」