「あ、先輩おはようございます!」

「…またおるん
アンタほんまに暇やな」

「ちゃいますよー」

今日も下駄箱の前で待ってる山本くん
明日から時間変えよ

「先輩今日
髪、巻いてるんですね
似合ってます」

「当たり前やから
じゃっ」

「はいっ!また後で」

「だからこんでええのに…」

「とか言って
あながち嫌ちゃうんやろ?」

「朱里…」

「よくない?たまには年下も
なんか可愛いやん」

「年上専門
それに…」

振り返って山本くんを見ると
重いノートを運ぶ女子を手伝ってた

「私にあの子はもったいない」




「先輩っ帰りましょ」

「なんで」

「またそんなこというー
痴漢に合わないためです」

「遭っても山本くんじゃ
守られへんやろ」

「なっ…ま、まぁ頼りないですけど!
体張りますっ
だから、大丈夫」

そう言ってすごい笑顔を見せる
爽やかな笑顔
裏がなくて
真っ直ぐ

「好きにすれば?」

「やった」

まるで子犬みたいについてくる

「先輩」

「なに?」

「明日デートしてくれませんか?」

「デート?」

「はい、明日も会いたいから!
12時に駅前広場
予定ありますか?」

「ないけど
行く気ないから
何回も言うけど私は年上が…」

「待ってます!
じゃっまた明日」

「ちょっと!!」

まぁ…ホンマに行かへんってわかったら
諦めるかな



(美優紀ーっ!聞いてや
あの男がなぁ)

「聞く気ないから
自業自得や」

せっかくの休みの日になんで
母親のアホな男たちの話を聞かな
アカンねん
私が年上しかアカンのは
母親が年下好きで
けどいっつも失敗してるから
アホやと思うわ母親ながら
話聞きたくなくて
外に出た
なんとなーく散歩をする
晴れてたらよかったけど
雨が降ってて少し肌寒い
辺りも暗い
まーせっかく外でたんやし
遠回りして帰ろー
そう思って歩いていた

(待ってます!)

あ…そう言えば
昨日…でももう19時やし
おらんよなー
軽い気持ちで駅前広場を見たとき
言葉を失った
そこには雨にうたれて
震えて待つ山本くんがいたから

「なんで…」

慌てて駆け寄った

「山本くん」

「…美優紀先輩」

「なんで、なんでおるんよ」

「約束したから
そしたら雨降ってきて…
でも…よかった
先輩になんかあったのかと思って
無事でよかった…」

「アホ…なんで待ってるんよ
帰ればよかったのに」

「嫌や
せっかく先輩に会えるのに
帰りたくなんかない」

「ちゃうねん
私は…来るつもりなかったのに」

「けど…来てくれた
だからいいんです」

そう言って笑う山本くん
ホンマにアホ
ここまで必死になって呆れる
けど…呆れる以上に
嬉しいって思う自分がいた