つぎの日目が覚めると
朝早かった
そうや家を出るんや
母さんを起こそう
昨日はあんなこと言ってたけど
今日は連れていく
私が母さんを幸せにする

ガラガラ
「母さ…ッ!?」

部屋を見ると何もなかった
けど床に一枚の封筒
急いで拾って中を見た


恵へ
勝手に出ていってごめんなさい
お父さんに頼んで昨日のことは
許してもらえました
けど、私はもう限界なんです
優しいあなたのことやから
自分の事責めるやろうけど
そんなことしなくていいねん
私は最低な母親やから
もともとアナタを妊娠したのは
お父さんと結婚したかったから
あなたのこと利用したの
そしてあなたが生まれた
けど、男じゃなかったことで
何度も責められて
あなたを生んだこと後悔してしまいました
それなのにあなたは私に
引っ付いて無邪気な笑顔を向けました
その笑顔はこんな荒んだ心を
浄化するくらい
綺麗ですんでいました
いつの間にかホントにあなたのこと
愛してた
男になるのを止めれなかったこと
あなたに我慢させ続けたこと
ホントに申し訳なく思ってます
ごめんね?
こんな言葉じゃ足りないけど
それしか言えない私を許してください
恵、ホントに最後まで勝手で
最低な私を許してください
元気でね お母さんより




「何なんよこれ…
なんで置いていくんよ
一人にせんとってや…」

溢れる涙
にじむ手紙の文字
そんなとき子供の泣き声が聞こえた
その方に進んでみると
衝撃の光景やった
父が知らん女に抱かれた子を
愛しそうになでていた
その瞬間
私の心は崩れ落ちた
なんでここにおらんとあかんの?
私はここにおる意味あるん?

「菜々」

「恵?…なに?その荷物」

「家、出るわ」

「なっ、何言うてんの…」

「ごめんな
けど、お前はもう大丈夫
ありがとうな」

「嫌やっいかんとって!」

「…ごめん菜々
限界なんや…」

「っ…」



家は里香が用意してくれた
里香は母さんの妹
小さい頃から私を可愛がってくれた
高校は男で通ったから
男のままでおった
最初は大人しくしてたけど
だんだん派手になった
チャラい、ヤンキーとかいろいろ
言われた
少しでも父さんに逆らいたかったんかもしれへん
菜々はちょくちょく家に来たけど
すぐに帰らせた
お前は私に依存したらアカン
お前を巻き込みたくないんや
大切な友達やから
だから一人で私は堕ちていく
暗闇の中に
一人で
どんどんどんどん
寂しくなんかない
どうせ誰もおらんねんから
ホンマの私を必要としてくれる人なんて
ホンマの私を受け入れる人やって
諦めたらな




寂しくなんかないんやで