「ごめん急に」

「ええよ柊ちゃん寝たから」

「おぉ」

「里香から聞いた
あの話やんな」

「おぉ」

「でもあの話は終わったから
気にせんでええよ」

「え?」

「断った
だって柊ちゃんに
これ以上我慢なんかさせたくない」

「ええんかそれで
自分の力…」

「ええよ
柊ちゃんが一番」

「…そんな顔すんなよ」

「…じゃあどうしたらええんよ!
柊ちゃんのこと一人にして
自分のやりたいことして
悲しませるのなんか嫌やっ!!」

「泣くなよ…」

「私やって…したいけど
けど、柊ちゃんのこと」

「そんな顔すんなら
行けばええやろ!」

「だってぇ…」

そのとき
俺の頬に何かが飛んできた
その方向を見ると
涙目の柊が俺を睨んでた

「しゃーーーか!!
ママをいじめるなぁ!」

「しゅ、柊っ!!
痛い痛いっ!」

「柊ちゃん
大丈夫やから…」

「ママをいじめるなぁ!」

「…フッ
ごめんな柊
もういじめへん
ほら、おいで」

柊を抱きしめて
俺の膝の上に乗せる

「なぁ柊
ママのこと好き?」

「うんっ」

「どんなところが?」

「全部!
でもね笑ってるママが好き
ほら、これっ!」

指さす方向には
姉ちゃんの雑誌

「なぁ姉ちゃん」

「なに?」

「ホンマはやりたいんやろ?
最初さ俺やって
柊の隣におるべきやって思ったけど
でも、やりたいことやったらええ
自慢できるママでおれや」

「じゃあ柊ちゃんは…」

「俺が見る」

「えぇ!?」

「柊俺のところ来るやろ?」

「彩のとこ?」

「うん
あのな?ママはお仕事で
しばらくバイバイやねん
でもな柊のためにするねん」

「柊ちゃん…一人?」

「違う
俺がおる」

「…」

「柊…」

「彩のところいく」

「柊ちゃんええねん
ママは…」

「柊ちゃんのママはね
モデルさんで
ゆーめいじんやねん
皆によろしくするとき
そーいうから
だからママはゆーめいじんで
いなさい!」

「柊ちゃん…
柊じゃぁん…」

「ママ苦しいーっ」

「ハハハッ」





「今日はありがとう」

「ええよ
気にせんでええから」

「けど、ホンマにええん?」

「仕事は家でできるし
幼稚園も少しは長く見てくれるやろ?」

「うん、でも…」

「俺さ、そろそろ真面目に
なりたかったし
ええきっかけ?みたいな」

「彩って根はええ子やんな?」

「何やそれ
じゃあな」

「うん、気をつけて」

「おぅ」

帰り道
考えることは
いっぱいやった
女関係はちゃんとしっかりと
切ったし
部屋に知らん女がおることは
なくなるやろ
家具とかも増やさへんとやし
保護者会とか?あるんかなぁ
うわぁー父親やん俺
イクメンってやつ?

「頑張ろ俺…」