お待たせしました
新しい長編
純愛っていうてたけど
ちゃうかも…(笑)
ほのぼのとしてるものと
お考えくださいまし













俺の名前は山本彩
年齢22
仕事は音楽のプロデューサー
自慢ではないが
この若さでここまで昇進したのは
異例である
彼女はいない
彼女候補、複数
まぁ簡単に言えば
ダメ男の典型である

(彩おはよ)

「んー?あぁおはよ」

(昨日は…ありがと)

言うまでもなく
この人は彼女ではない
もっと言えば
名前もよく分かってない
たぶん昨日の飲み会で着いてきた女

そこから適当に話して
帰らした
一息着いてから
タバコに火を付ける
我ながら
最悪な男やな

元々は優等生やった
けど音楽と出会って
いろいろ変わって
真面目に生きてどーなるんか
わからんくなった
父親を幼くになくして
女手一つで俺と姉ちゃんを育ててくれた
母親
再婚なんかせんくて
ホンマに父さん一筋
親が完璧過ぎて
逆にプレッシャーやったんかねぇ

「そろそろ
しっかりせぇへんと」

ドンドンドンッ!!

「おぉ?なんやなんやっ」

扉を叩かれて
開ければ
小さな塊が俺に抱きついた

「しゃーか!!!」

「柊っ!!」

俺の足に引っ付いて
満面の笑みを俺に向ける
こいつは俺の姪っ子の柊

「こらぁー柊ちゃん
走ったらアカンでしょー」

「よ、姉ちゃん」

福本菜々
芸名 山田菜々
俺の実の姉
アイドルやったけど
グループを卒業して
今はモデル兼バラエティ出てる人
ポンコツやのに何故か人気ある
まぁわかるけど
恥ずかしいので言わんとく
ちなみに旦那は福本愛菜
俺の仕事の先輩
仲ええからタメやけどな

「しゃーか!高い高い!」

「よっしゃええーで!
ほらー!!飛行機やでー!!
ブーンっ」

「キャハハハッ
もっとー!!!」

「よっしゃーほれー!!」

「ホンマに子供大好きやなぁ」

「ママちゃうもん!
柊ちゃん好きやねん!
なぁー?しゃーか」

「そーやんなぁー?
柊大好きやでー?」

「しゃーか!
柊ちゃんの
幼稚園式来てくれるー?」

「幼稚園式?」

「入園式のこと来週やねん」

「そうなんかぁ
会議やったかなぁ…」

「…」

「柊…」

「お仕事頑張って!」

昔から
愛菜も仕事忙しくて
姉ちゃんなんかもっとで
柊はベビーシッターさんに
見てもらうことが
多かった
だから仕事と聞くと
我慢するのを覚えた

「…柊!」

「ん?わっわっわっ!
高いよー!!」

「入園式ちゃんと
返事するとこ
聞かせてな!」

「っ…うん!!
柊ちゃん制服着るねん!」

「そっか楽しみやなぁ」

「うんっ!」

「ちょっと彩
ええん?仕事は?」

「まぁ明日と明後日の休みやめて
資料作って部下に任せるわ」

「ごめん…」

「ええねん」

俺は柊が大好きやから