朝、目が覚めると
隣に彩ちゃんはおらんかった
アホ、彩
隣におってって言うたのに

起き上がって
制服に着替える
可愛い制服
好きやけどでも、ホンマは
彩ちゃんと一緒が良かった
高校に行く時
彩ちゃんと同じがいいと言うた
そしたら彩ちゃんはここがいいって
そして難波を受けたけど
彩ちゃんは
別の高校を受けていた
泣きながら怒った
そのとき彩ちゃんは
真顔で住む世界が違う
こう言い放ったんや…

「アホ彩…」

「誰がアホや」

「彩ちゃん?
なんで…」

「タバコ忘れたから取りに来てん」

「タバコなんかやめぇや」

「無理やわ
じゃーな学校遅れんで」

「彩ちゃん!
送って!」

「はぁ?嫌やわ」

「バイクの鍵私が持ってるで?」

「…ッチ性悪」



ブーンブンブン…

「ほらよはよ行きや」

「チューは?」

「はぁ!?///」

「なーんてね
ありがとっ大好き」

「…お、おぅ」

何やねん簡単に…///

(あの、渡辺さんの幼なじみ
ですよね)

「あ?」

(ッ!?)

「だったら?」

(こういうのやめて貰えませんか?
ここは貴女みたいなのがくるとこ
ちがいますから)

「…そんなこと
わかってる
美優紀に言うてや」

(言っておきます)

「好きにしろ」

(もぉ付きまとうのはやめて下さい)

「は?」

(渡辺さんは
貴女と違って
将来有望なんです
貴女が邪魔なんです)

お前…邪魔なんや

そうか
まぁ、分かってたけどな

「分かってる
私の存在はアイツにとって
ただの悪しやわ
じゃあな」

そう言って
バイクに跨ろうとしたら
突然乾いた音が鳴り響いて
振り返ると
私に言うてきた男を
美優紀がぶってた

「勝手なこと言うな!
彩ちゃんが私に付きまとわれてるねん
私は好きで彩ちゃんのそばにおる
例え将来有望でも
彩ちゃんがおらん将来なんかいらん
二度と彩ちゃんに
そんなこというなぁー!」

美優紀はバイクの後ろに跨った

「彩ちゃん出して」

「お前…学校」

「休む!
早く!」

「ッチ…はいよ」

私はバイクのエンジンをかけた

(…邪魔やな、山本彩…)




「お前あんなこと
言うて良かったんかー?」

「ええの!なんなんあの人!」

「知らんの?」

「前に告白してくれてん」

「っ…ふーん
モテるんやねー
そりゃ嫌やろ好きな女がこんなんと…」

ムギュッ!!

「イッテ!!!何すんねんっ!」

「こんなん言わんとって
私の好きな人
バカにすんのは彩ちゃんでも
許さへんから」

「訳わからんわ…」

「もぉええやん!
彩ちゃん遊びに行こーっ」

「はぁ?私おばさんに
怒られるし」

「大丈夫~ママ今機嫌いいし」

「はぁ…」

「秘密の場所ーっ!」

「へいへい行きますよ
捕まっとけよー」