ブーンブンブーン
「…ふぅ
やっぱりバイクは気持ちええわ」
連れと遊んで結構
盛り上がって帰ってる途中
そういう時に限って
(山本彩やな!!)
(タイマンや!)
絡まれる
あーあ
イラつくわ…
(ハァハァ…)
(助けてくれ…)
「ったく
雑魚がいきんじゃねーよ」
最悪な気分で
バイクに乗る
最初はふたりやったけど
仲間が増えて
10人くらいでかかってきたから
顔殴られて
血の味がする
「あーあ」
「おかえりー…な、
何その傷!!!」
「んぁ?
あー喧嘩や」
「またぁ!?
ちょっと手当するから
座って」
「ええって」
「ええから!!!」
「ッチ…」
「もぉ…ホンマに彩ちゃんはぁ…」
美優紀がブツブツいいながら
私に消毒液のついた
脱脂綿を押し当てる
あれ?美優紀って
こんなに胸デカかったっけ?
あれ?美優紀って
こんなに髪長かったっけ?
久しぶりに美優紀を
ちゃんと見たら
知らないことがいっぱいやった
てか、何より
美優紀ってこんなに
綺麗やったっけ?
「もー聞いてる?」
ドキッ!!!
ドンッ!
「いったぁ…なんで押すんよー!」
「あ、いや、その
お前近いねんっ」
「あれ?赤いで?
あー、照れてるん?」
「照れてへんわ!
もーええやろ
早く帰れ」
「嫌やっ
今日は一緒に寝るー」
「はぁ?」
「だって…今日」
美優紀が
言いにくそうに
呟いた
あ、そうか今日は
「もう気にしてへん」
母さんが死んだ日
そしてアイツが
母さんを裏切った日
毎年この日になると
夢に出てきてうなされた
そんなとき美優紀は
隣で寝て手を繋いでくれた
そうしてもらうと
何か楽になったんや
「…ほっといてくれ」
「彩ちゃん…」
「悪い…ちょっと」
タバコを吸わな
落ち着かれへん
ベランダに出て
息を吐く
ギュッ…
「美優紀…」
「私はいなくならへんよ」
「ん」
「いなくならへん」
「ん」
「もうタバコやめて?
そんなんに頼らんとって
私に…」
「お前には無理や」
「え…」
「お前は私には綺麗すぎる」
「じゃあ同じくらい
汚くして?
一緒になりたい…」
「何言ってんねん」
「彩ちゃんが好き…」
「…美優紀
やめとけお前は勘違いしてるねん
優しいから」
「違う小さい時から
彩ちゃんだけや」
「私ら女やで?」
「関係ない
彩ちゃんが好き
彩ちゃんの気持ちは?」
「…」
「そっか…ごめん
困らせて
今日は帰る」
「美優紀」
「彩ちゃんに頼ってほしかった」
美優紀は涙を流して
部屋に入っていった
アイツいつの間に
あんな風に泣くようになってん
小さい時は
鼻水ダラダラ流しながら
泣いてたのに
(彩じゃぁぁん…)
(もう大丈夫っ!)
(うんうん)
(美優のことは私が守る!)
ズキッ…
「チッ!!」
タバコを灰皿にこすりつけて
枕をもって屋根に乗った
「…ふぅ
やっぱりバイクは気持ちええわ」
連れと遊んで結構
盛り上がって帰ってる途中
そういう時に限って
(山本彩やな!!)
(タイマンや!)
絡まれる
あーあ
イラつくわ…
(ハァハァ…)
(助けてくれ…)
「ったく
雑魚がいきんじゃねーよ」
最悪な気分で
バイクに乗る
最初はふたりやったけど
仲間が増えて
10人くらいでかかってきたから
顔殴られて
血の味がする
「あーあ」
「おかえりー…な、
何その傷!!!」
「んぁ?
あー喧嘩や」
「またぁ!?
ちょっと手当するから
座って」
「ええって」
「ええから!!!」
「ッチ…」
「もぉ…ホンマに彩ちゃんはぁ…」
美優紀がブツブツいいながら
私に消毒液のついた
脱脂綿を押し当てる
あれ?美優紀って
こんなに胸デカかったっけ?
あれ?美優紀って
こんなに髪長かったっけ?
久しぶりに美優紀を
ちゃんと見たら
知らないことがいっぱいやった
てか、何より
美優紀ってこんなに
綺麗やったっけ?
「もー聞いてる?」
ドキッ!!!
ドンッ!
「いったぁ…なんで押すんよー!」
「あ、いや、その
お前近いねんっ」
「あれ?赤いで?
あー、照れてるん?」
「照れてへんわ!
もーええやろ
早く帰れ」
「嫌やっ
今日は一緒に寝るー」
「はぁ?」
「だって…今日」
美優紀が
言いにくそうに
呟いた
あ、そうか今日は
「もう気にしてへん」
母さんが死んだ日
そしてアイツが
母さんを裏切った日
毎年この日になると
夢に出てきてうなされた
そんなとき美優紀は
隣で寝て手を繋いでくれた
そうしてもらうと
何か楽になったんや
「…ほっといてくれ」
「彩ちゃん…」
「悪い…ちょっと」
タバコを吸わな
落ち着かれへん
ベランダに出て
息を吐く
ギュッ…
「美優紀…」
「私はいなくならへんよ」
「ん」
「いなくならへん」
「ん」
「もうタバコやめて?
そんなんに頼らんとって
私に…」
「お前には無理や」
「え…」
「お前は私には綺麗すぎる」
「じゃあ同じくらい
汚くして?
一緒になりたい…」
「何言ってんねん」
「彩ちゃんが好き…」
「…美優紀
やめとけお前は勘違いしてるねん
優しいから」
「違う小さい時から
彩ちゃんだけや」
「私ら女やで?」
「関係ない
彩ちゃんが好き
彩ちゃんの気持ちは?」
「…」
「そっか…ごめん
困らせて
今日は帰る」
「美優紀」
「彩ちゃんに頼ってほしかった」
美優紀は涙を流して
部屋に入っていった
アイツいつの間に
あんな風に泣くようになってん
小さい時は
鼻水ダラダラ流しながら
泣いてたのに
(彩じゃぁぁん…)
(もう大丈夫っ!)
(うんうん)
(美優のことは私が守る!)
ズキッ…
「チッ!!」
タバコを灰皿にこすりつけて
枕をもって屋根に乗った