「いたいっ!あーっ!!」

「みるきー落ち着いて!」

「無理っ!いたいっ」

「みるきー!」

「ハァハァハァ」

アカンな…
このままやと
意識が
なんとかせぇへんと

ウィーン

「まーちゅん
何で今日は…」

「りぃちゃんちょっとどいて」

「無理ー!いたいっ
彩は!?
一人なんか無理っ
お母さんになれへんっ!」

「…ええ加減にせぇ!!!」

「まーちゅん」

「彩は手術に
一人で戦ってん
父親になるって
みるきーがそんなんでどうすんねん
大丈夫や
俺がおるから大丈夫」

「…」

「頑張れ
彩美ちゃんのお母さんになれるのは
みるきーだけやねん!」

「…まーちゅん手」

「おぉ、ええよ」

「ふぅふぅ…」

「いいでみるきー
よし、力んでっ!!」

「んーっ!!!」

「大丈夫!
行けるからな!」

「頑張るねん…ハァ
彩美ちゃん
パパも頑張ってん
ママも頑張るから
あなたも頑張って…ハァ
生まれてきて…
絶対笑顔にして見せるから!
3人で
幸せな家族になろっ!!ハァハァハァ」

「みるきーあともうちょっと」

「ハァハァハァ…」

「力んで!」

「ンッーーー!!!」




オギャーオギャーッ

「生まれた…」

「生まれた、生まれたで!!」

「やった…ママになれたっ」

ピリリピリリッ
「はい、はい、はい…え?
わかりました
通してください
みるきー、よかった」

「ん?」

ウィーン
「美優紀!」

「さ、やか?」

「ごめん、傍におれんで
ホンマにごめん…」

「彩…私
お母さんになれたで
頑張ったで」

「うん、ありがとう
ありがとう美優紀」

「みるきー
ほら、彩美ちゃん
抱いてあげて?」

「うん…」

りぃちゃんが
私の胸に
私と彩の宝を乗せる

「ちっちゃい
…彩美ちゃんはじめまして
ママやで」

「美優紀…」

「生まれてきてくれて
ありがと…
彩抱いて」

「お、おぅ…
うわ、ちっせぇ
パパやで
会いたかったで」

「まーちゅんとりぃちゃん
抱いて」

「ええん?」

「傍におってくれたもん…
それに、まーちゅんおらんかったら
彩美ちゃんはおらんかった」

「うん…ありがとう」









「彩」

「おぉ、まーちゅん」

「みるきーの傍におらんでええんか?」

「うんなんか
お母さん達と話してるし」

「…検査した」

「え?」

「大丈夫や
彩美ちゃんの心臓は」

「ホンマに…?」

「あぁ至って健康や」

「ッ!!…よかった
ッグ…ホンマによかったッグ」

ガバッ!!

「大丈夫や彩
お前はもう治った
だから
何も遠慮すんな
お前は彩美ちゃんの父親で
みるきーの夫やねん
胸張って
2人守るんや
大丈夫や…」

「まーちゅんっ…
ありがとう…っ
それとっ…あのときは
ごめんなさいっ…」

「あ…」

それは彩が昔
転院するとき

(彩、頑張れよ)
(…)
(彩…?)
(嘘つき…
助けてくれるっていうたやんか!)
(ごめんな俺じゃ…)
(まーちゅんのアホ!大っきらい!)



そうやあのとき
彩は泣きながら
その時に決めたんやった
絶対に救ったるって決めたんやった

「ええよ彩…」

「うん…」

「彩…強くなったな」

「ありがとっ…」

「おぅ…」