朱里のturn


「ごめん!お待たせっ」

「遅いーっ
なんかおごりやから!」

「えーまた?」

「当たり前や
はい、行きましょー
荷物持ちさん?」

「はいはい
お嬢様ー」

「なにそれーっ」

恵と出会って
3ヶ月
髪切った日から毎日のように
連絡取り合って
遊びに行くようにもなった
なんか一緒にいて
楽やねんなぁ…

「朱里、仕事楽しい?」

「えー?」

朱里の仕事は
服のデザインをすること

「まぁ厳しいけど
楽しいでっ!
この前な!朱里がデザインした
服が…」

「プッ…」

「なにー?
バカにしてんの?」

「あ、ごめんごめん
じゃなくて、
朱里、服の話してるとき
すげー可愛いからさ」

「うっさい///ほら、これ持って!」

「へいへい」


コイツの悪いとこは
すぐに…可愛いとかいうところ

「てか、恵も暇やんな
朱里の荷物持ちしたいなんて」

「したいとは言うてへんわ
買い物ついて来て言うたんやろ?」

何でそれで来てくれるん?
他にも女の子いっぱいおるやろ?
…何て言われへん
別に付き合ってるわけちゃうし
ただ友達として遊んでくれてんねん
でも、いつも優しい顔して笑うから
勘違いしちゃうんや…

「よ、置きましたよ」

「ご苦労」

「何キャラやねん
あ、そうや
昨日常連さんから貰った
高いワインあるねん
今から家けーへん?」

「あ、ホンマに?
いくーっ」





「ほい、お待ち度」

「うわぁー高そう
いただきまーす」

「あんまり飲みすぎたら
前みたいになるで」

「わかってますー」

って言うたのに
美味しすぎて
つい飲みすぎてしまった…

「んー…」

「だから飲みすぎるなって言うたやん」

「うるせぇ…」

「あーあー
ほら、タクシー呼んだるわ
立てるか?」

「肩ぁー」

「はいはい
ほら、ちょっちょっ!!」

ドンッ

「え…」

今、恵に床ドンされてる?
まじまじと見られて
顔が赤くなる

「朱里…」

そう言って顔が近づく
恵ならええかな…
って思ったとき
恵の鎖骨辺りに
赤い痕を見つけた
これ…キスマーク?

バチンッ!!!

「イッテ!!!なに!?」

「サイテー
他に女おるくせに」

「は?なんの話や」

「とぼけんなっ!
キスマークついてんねん」

「え?あ、これは」

「ホンマにサイテー…
私はそんな軽い女ちゃう!!」

「ちょっ!朱里っ!!!」

バタンッ

最悪最悪最悪…
いつの間にか自分
見失ってた
そうやん
相手は美容師で
イケメンって言われて
有名で
そんなん女の子選び放題
その中に朱里が入っただけ
元々男なんかそんなもんやん

「あんな男





好きにならんかったら良かった」