「彩行っておいで」

「おぉ…」

今日は手術当日

「…」

ゆっくりベットが進んで
手術室の前

「まーちゅん…」

「お、彩
体は大丈夫か?」

「まぁ…」

「フッ…今だけ
二人になり
後で迎えに来るから」



「美優紀…悪い
俺の胸もたれて?」

「ん?」

言われたとおり
腰を屈めて
彩の胸に頭を乗せた
そしたら彩が私を抱きしめた

「俺、頑張るから
絶対帰ってくるから
だから待ってて」

「あんまり長いと
どっか行くかも」

「そりゃそーや
頑張りますよ」

「うん
キスしたろっか?」

「いや、やめとく」

「え?」

「帰ってきてからの
楽しみの方が
もっと頑張れるやろ」

「そうやね」

「あ、忘れてた
彩美、行ってくるなー」

「彩美?」

「赤ちゃんの名前
ええ名前やろ」

「ホンマや
ええ名前や」

「うん
じゃあ行ってくる」

ベットが入れられて
ドアがしまる




「みるきー」

「あ、りぃちゃん」

「大丈夫?
手術どれくらいたってる?」

「四時間くらい」

「そっか…」

「あんな
りぃちゃん
彩なおっきくなってた」

「え?」

「手術が怖いって泣く
彩はもうおらんねんや」

「守るものができたからちゃう?
彩はみるきーがおるから
つよくおれるんや」

「守るもの…か
私も強くなれるかな
この子のために」

「大丈夫なれるよ」

カチンッ!!

手術のランプが消えた
ドアが空いて
ベットが出てくる

「彩っ!!」

「みるきー」

「まーちゅんっ
彩は!」

「大丈夫
上手くいった
あとは彩次第や」

「よかったぁぁ…」

「でも目を覚ますまでは
分からへんからな?
病室行っといて」

「うん…
まーちゅん!彩のこと助けてくれて
ありがとう!」

「おぅ」


「お疲れ様」

「ありがとう…」

「ま、私を置いていっただけ
あるな」

「ハハハッ…でもやばかった
途中、心臓止まったんや」

「え?」

「けどな
みるきー待ってるやろ!って
叫んだら動いた
アイツらホンマに…」

「そっか…なぁまーちゅん」

「ん?」

「私らもそうなろうな…///」

「…当たり前や」



つぎの日に
なっても彩は目を覚まさなかった
心配になって
横で手を握っとく

「みるきー
心配せんで大丈夫
彩はみるきーに会いたくて
しゃーないねん
麻酔の量も多かったし
夕方には目を覚ま…」

「私あかんな」

「え?」

「彩みたいに強くなられん
不安やねん
いつからこんな弱くなったんやろ」

「みるきー…」

「りぃちゃん…私、彩の隣」

「彩の隣はみるきーのものやろ
みるきーは弱くなってええねん
彩が守るんやからさ
な?しっかりして
彩美ちゃんに笑われんで?」

「そうやね…
ごめんな彩美ちゃん
あっ…蹴った」

「怒ってるんやわ
しっかりせぇ!って」

「そうかも…ハハハッ」

「ハハハッ」

「ハハハッ…ハァハァハァ…」

「みるきー?」

「い、痛いっ…」

バタッ

「みるきー!?
…アカン陣痛来ちゃった
ビーーッ)すいませんっ
渡辺美優紀が陣痛を起こしました!
すぐに担架を!!!」