キュンとしたことで短編書く予定でしたが
アンこびに変えてみました(笑)
ネタバレ注意!



「アントニオーっ」

(姉さんなら
タバコ買いに行くって)

「ふーん、まぁそっちの方が
都合ええわ」

(え?)

「何もない
ちょっと教室行ってくる」

私が部室を出て
廊下を歩けば
周りのやつは皆道を開ける
気持ちいいけどつまんない
私はじゃぶじゃぶしたいだけ

「シロギクとクロバラは?」

(こ、こびーさんっ
二人は来てないですっ)
(やっぱり喧嘩売ったくせに負けて
合わす顔ないんですよー!)

「ふーん溜まり場教えてや」

(え?なんでアイツらに…)

「黙って教えた方が
身のためやで?」

(は、はいっ!)



ここか…
とりあえず二人に合って
口止めせーへんと
アントニオに
私がさくらを勧めたことバレたら
きっと…

「シロ…ッ!?」

「お前らかシロギク
クロバラは…」

な、なんで!?
なんでアントニオがここに!?
まだ口止めしてへんのにっ
とりあえず隠れて…

「喧嘩売ったくせに負けるとは
笑いもんやな」

「うるせ…」
「何のようや」

「なんでさくらに手を出した?」

「…お前んとこの
副総長や」


あ…終わった

「…ふーん
やっぱりかそうやと思った」

「知ってたんか?」

「あぁアイツ嘘つくとき必死やから
悪かったな巻き込んで」

「別に叫び聞きたかっただけやし」
「まぁ負けたけどな」

「お前らはまだ2年
伸びれるから大丈夫や」

「…なぁこっちも聞いてええ?」

「ん?」

「なんで副総長は
私らに勧めたんや?」

「それはたぶん私の為や」

「え…?」

「アイツ笑顔で人殴るし
何考えてるか分からへん
私やって時々怖い
けどなホンマは
誰よりも仲間思いやねん」

「仲間…ねぇ」
「仲間」

「私がソルトに負けてから
笑わへんくなったし
イラつくことも多くなった
だからアイツ私のこと手伝おうとして
ま、結局失敗やけどなっ
お前らもいつかできたらええな」

「作ろうと思わねーよ
じゃあな」
「じゃあな」

「…ふぅ」

アントニオ…分かってたんや

「こびー」

「え!?わぁ…あ、奇遇やな」

「どんな奇遇やねん」

「そ、そうやな」

「こびー私に言うこと何か
あるやろ」

「え?なんやろなぁ…」

「…」

「ごめんなさい
勝手に動いて」

「分かってんのか?
お前のせいで計画が
つぶれるとこやってん」

「うん…」

アントニオは
昔から正しい
アントニオに従っとけば
間違わないのに
何でか反抗しちゃうんや…
だからアントニオはきっと私なんか

ギュッ

「え…アントニオ?」

「お前は昔から
何でか私に反抗して
一人で傷ついて…
やめろよ…」

「うん…」

「近くにおらへんと
守られへんやろ…」

「アントニオ…」

「頼むから側から離れんな
安心せーへんねん」

「何それプロポーズ?」

「アホか真剣に捉えろ」

「無理や…」

「あ?」

「真剣に捉えたら
自分おかしくなりそうや
アントニオは私のこと
どう思ってるか知らんけど
私はアントニオのこと…」

「私は好きやで
せやないとこんな恥ずかしいこと
言えるわけないやろ」

「アントニオ…」

アントニオの顔が少し緩んで
久しぶりに見た大好きな笑顔

「美優紀」

「っ…彩」

ゆっくりと近づいて
来た時

ドンッ!!

「こびーさんっ!!!
…あれ?姉さんもいる」

「KY…」

「いやぁ下っ端が
こびーさんがシロギクとクロバラ
やるかもしれないって聞いたんで
姉さんが止めたんですねー」

「おぉ…」

「何か近くないですか?
あれれ?もしかしてー…
私が来なかったら
チューとかしてましたぁー?」

「は、はぁ!?アホちゃう!?
そんなわけ…」

「そうやな
する予定やったわ」

「「え?」」

「ホンマお前は空気読めへんなぁ
帰ったらしばく
ほら、帰るで」

「え、ちょっと姉さぁん」


な、なんなんよアイツ
これやから
私は…


アンタについていきたくなるねん