菜々のturn



「お疲れ様でーす」

今日は仕事が少し早く終わった
どっか行こっかなー…

「あれ?菜々ちゃん?」

「福本さん?」

そこには黒いエプロンをつけて
いかにもバーテンダーの
格好した福本さんが
立っていた

「仕事終わり?」

「あ、はい」

「敬語辞めへん?何か
距離感じるわ」

「あ、すいません…」

「いや怒ってへんねんで?
ただ何ていうか
菜々ちゃんとは仲良くなりたいっていうか…」

「え…?」

「…///」

「あ…うん」

「そ、そうや仕事終わりやんな
良かったら店けーへん?
ずっと会わへんかったし」

「うん…行きたいっ」

「そうか!よしおいで」


「うわぁ…おしゃれ」

「ヘヘヘッ内装こだわったからね」

「すごい何かこんな感じの服で
ええんかな…」

「スーツ似合ってるで
何か綺麗」

「っ///」

「でも俺的には
今みたいに照れてる
可愛い菜々ちゃんの方が
好きかな?」

「す、好きっ?///」

「うん
あ、何飲む?」

「じゃ、じゃあ
お任せで…」

「おっけー」

福本さんと出会って3ヶ月
たまに電話するくらい
けど、会いたいって思ってしまう
自分がいたり…
目の前の福本さんは
真剣な顔して
シェイカーを振ってて
カッコ良くて…

「できたで
はい、どーぞ」

「綺麗な色…」

そこには薄い青色をした
カクテルがあった
飲んでみると
結構軽い感じで飲みやすい

「すごい美味しいっ
色もめっちゃ綺麗で青空みたいやし
飲みやすくて…
あ、ごめんなさい」

「フフフッじゃあこのカクテルは
ブルースカイって名前にするわ」

「名前?」

「これ新作やねん
菜々ちゃんをイメージしたから
一番に飲んでほしくて
菜々ちゃんの笑顔は優しくて
海みたいに穏やかで
だから青色」

「っ///」

「やっぱり
すぐに照れちゃうから
ピンクが良かったかな?」

「やめてください福本さん意地悪や///」

「ねぇ菜々ちゃん
福本さんじゃなくて
下で呼んでくれへんかな」

「え?」

「俺さ結構本気やねんけど
菜々ちゃんのこと
だからお願い」

「わかりまし…った
愛菜くん…」

「ハハハッ呼び捨てにせぇへんの
菜々ちゃんらしいな」

カランカランッ

「いらっしゃいませ」

(愛菜ぁー会いにきたでー!
あれ?なんや2人きりちゃうんや)

「そうですね…」

(まぁええや
いつものやつ
私専用のっ)

「はい」

現れた女の人は
すごい綺麗で
服も大人で…
愛菜本気とか言ってるのも
営業か
今やって…専用とか言うてたし
何勘違いしてたんやろ

少ししたら
お客さんがいっぱい来て
そのほとんどが女の人
やっぱり愛菜くん目当て
何かいづらくなって
お金おいて出た

「あー月綺麗やなぁ…
あれ?雨…?」

雨なんかちゃう
私の目から流れる涙
仕方ないやん
好きになってしまったんや


3Bのこと…