平日の昼間に
制服で歩くと目立つ
引き返したいのに
力が強すぎる
「どこ、行くんや」
「んー?デート」
「デート?」
「そ、デート」
「ふざけるな
離せっ」
「嫌や」
「だから私は…」
「…一人になるなよ」
「はぁ?私は」
「ええやん
大丈夫やから」
「…」
「ほら、ここ
俺の家
入って」
「う、うん」
「あれ?恵学校は」
「んー?
抜け出したくなってん」
「もぉ何してんねんなぁ
ん?その子は?」
「…彼女」
「…そ
初めてやね女の子うちに
つれてきたん」
え…?
初めて?
「はじめまして
このバカ息子の母です
よろしくねぇ」
「…吉田朱里です」
「うん、綺麗やし
ええ子やん
ゆっくりしていってな?
お母さんパートいくから
アンタ洗濯入れて畳んどくんやで」
「へいへい
いってらー」
笑った顔
こいつにそっくりや
「そこ座ってて」
「うん」
「…ほい
ココア」
「ども…」
「俺さ父ちゃんが小さい頃に
死んでから母ちゃんが
女手一つで育ててくれてん」
「へぇ」
「だから
頑張って勉強して
経営学んで
自分の店出して
母ちゃんに親孝行する
それが夢
まだ誰にも言ったことない
朱里に初めて言ったんや」
「…」
「朱里は?」
「…」
「ま、言いたくないなら
言わへんくても」
「私は捨てられた
親は私を間違えて産んで
小さい頃から虐待されて
結局捨てられて今は施設
私はあいつら見返すために
勉強してお金稼ぐ
それが理由」
「…」
「私を生んだこともっと
後悔さしたんねん
私は間違えて…」
ギュッ…
「な、なにをっ///」
「アホ、間違いなわけあるか
朱里は俺と出会うために生まれたんや
オレは朱里が生まれたのは
正しかったと思う」
「は、はぁ?なにを…」
「無理に強がらんでええやん
ないてもええんや
俺が朱里を好きになったんわ
どこか影があったところと
クラスのやつが騒いでところを
冷めた目で見てるけど
どこか寂しそうで
その顔が綺麗やったから
笑顔にしたくなったからで…」
「…それがアンタのやり方?
知ってるねん
アンタがいろんな女の子に
手をつけて…」
「噂やろ?
確かに俺は傍からみたら
チャラいと思うし軽いふうに見えるかもしれん
でも…ここまで本気になったんわ
初めてやねん…
だから強がってる朱里みたくない」
「…私は騙されへ」
「俺には朱里が必要やから」
「っ…な、なにを…」
もう無理やった
溢れる涙は重力に従い
流れ落ちた
ずっと言われたかった言葉を
そんな真剣に言われたら
無理や…
迂闊にもこいつに騙されても
ええなんて思ってしまった
「…よしよし」
優しく頭を撫でる手は
何より暖かかった
「顔あげて」
「…ンッ///」
優しく触れた唇
それがだんだん深くなる
はじめは抵抗したけど
自然と受け入れてしまった
そのままソファーに押し倒される
これはもしかしたら…
きっと蹴ったら逃げれる
押したってきっと
でも…私は抵抗しなかった