「できた…」

時計を見たら夜の2時
たくさんのチョコが
目の前に広がる
そしてその真ん中にある
特別なチョコ

これは本命
私の彼氏山本彩へのチョコ
甘いのが苦手やから
ビターで作ってみた

「喜んでくれたらええなぁ」





「ふぁぁぁ…」

作り終わって
お風呂入ったりしてたら
めっちゃ遅くて
すっかり寝不足
周りの子もおんなじ感じ

とりあえず部活の
人達にチョコを配りまくる
サッカー部のマネージャーは
部員に上げへんとあかん
バスケ部に入れば
すぐに彩に渡せたのに…

待ちに待った昼休み
彩とお弁当食べてから
チョコ渡そうと
3年校舎へ向かう
ちなみに彩は年上
だから教室に入るのは少し怖い

「あれ?美優紀ちゃん?」

「キャプテン」

サッカー部のキャプテン
福本愛菜くんは
彩の親友
よかった、いてくれて

「彩は?」

「あぁ…呼び出されてた
バレンタインやしな」

「あぁ…」

彩の机を見ると
中にも
横にも可愛い包みまみれ
彩は悪くないけど腹がたってしまう
一番に渡したかったのに…

「ここで待ってる?」

「いやいいです
これ彩に渡しててくだ…」

「直接渡した方がええで?
彩待ってると思うし」

「…あんなにもらってたら
いらないですよ」

「んー…けど」

「私お弁当食べてきます
あ、そうや
これキャプテンへ」

「お、ありがとう」

「義理!ですから」

「強調せんでええやん
ありがとうな」


午後の授業の
私の不機嫌ぶりは半端なかった
朱里にぶつけたろうとしたけど
朱里も彩と話したりしてたから
余計に腹が立つ
普通彼女のところこーへん?
私がいっつも行ってて…
あれ?そう言えば
彩から私のところ来てくれたこと
あったっけ?
告白やって私からやし
帰るときも
私が彩のところへ行く
もしかして…一方的すぎる?

結局、渡せず
家に帰ってきた
こんなんってありなんかな…
もし、私が彩になんもせんかったら
これから先何も起こらず終わるんかな
…もうええや!
こうなったらヤケ寝やわ!
おやすみっ!!!






「ん、んぅ…朝ちゃう
全然寝れてな…いっ!?!?」

「起きた?」

「彩!?なんでっ!」

「おばさんに言ったら入れてくれた」

「ママ…ハァ」

「よだれ出てたで?」

「うそっ…もぉ最悪」

「ハハハッ」

「…なんで来たん?」

「チョコ俺にはないん?」

「…いらんやろ」

「へ?なんで?」

「たくさんもらってたし
別にええやん」

「いや、あれは…」

「可愛い子おった?
先輩綺麗な人多いし」

「嫉妬してんの?」

「そうやで!嫉妬してる
アホみたいにしてるわ
迷惑やろうな!ごめんなさいっ!」

「何怒ってんねん…」

「怒ってへんわっ!
もうほっといて!
彩へのチョコなんか作ってへん!」

布団を頭から被る
だってバレちゃうやん泣いてること
きっと彩はめんどくさいって
思ってるんや
勝手に浮かれて
勝手にないて…

「はぁ…」

ほら、ため息
ええから帰ってや
泣きたいのに泣かれへんやん…

「美優紀…」

ギシッ

彩がベットの上に乗って
布団越しに抱きしめられる

「…ホンマにないん?」

「…」

「目の下に隈できるほど
夜更かしして
作ったチョコは誰にあげるん?」

「…知らん」

「…俺以外に好きな人おるん」

「おるんちゃう?」

そういった時
彩が一瞬
強ばった…

もういいんや
彩は私に

「冗談でも…そんなこと言うな」

「え…?」

「…美優紀は、俺のや」

「彩?」

驚いて布団から顔を出すと
彩は真剣な顔で
私を見つめる

「美優紀は俺のやから」

「…なんなんよ
いっつも私ばっかりやん
だから…不安になるねん」

「…ごめん
俺、美優紀に甘えてた」

「…」

「でも、美優紀のこと好きやから
告白も嬉しかった」

「…」

「許してくれへんかな…」

「…んっ!」

「これ、俺の?」

「彩のないわけないやん…」

「…よかった
ホンマにないんかと思った」

「アホ…」

「食べてええ?」

「うん…味の保障はないけど」

「…んっ、うまい
甘くないし
俺のこと考えてくれたん?」

「まぁ、だって彩甘いの苦手やし
でも胃大丈夫?
たくさんチョコもらってたから
胃もたれてるんちゃう?」

「ん?俺まだチョコ食べてへんで?」

「え?」

「美優紀のチョコ一番に食べる
つもりでおったもん」

「っ///」

「うん、ホンマにうまいで」

「…無意識なのが腹立つ」

「え?なんか言うた?」

「何もないっ…」

「てかさ、今のこの状況
…イケナイ状況やな」

「はぁ?///」

ベットの上で2人
抱きしめあってる
冷静に考えたら…やばい

「は、離れて」

「いーや」

「なんなんよぉ急に」

「俺も積極的に行くわ」

「積極的って…」

「美優紀チョコの味見した?」

「してへんけど…」

「そっか味見してみよ」

「へ?ンッ…」

キスをされて
そのままチョコが入ってくる
おかしいな
苦いはずやのに
めっちゃ甘い…

「さぁ美優紀ちゃん
甘い夜にしような…」