「明日バレンタインやね!」

「そうやね」

「りぃちゃんはあげる人おらんの?」

「おらんで」

そーいうのめんどくさいし
まず作ってどーすんのって感じやわ

「あれ?あの子は?
ほら、いっつも来てくれる」

「別に」

「なんで?めっちゃええ子やんか」

「つけまとわれてるだけ」

「そーなんや
でも明日土曜やねんし
会わへんと渡されへんしなぁ」

「家にこもる」

「りぃちゃんらしいなぁ」


「りぃちゃんっ!」

「…またきた」

「チョコくださいっ」

「ない」

「えー
ずっと言ってたじゃないですかー!」

「あげる必要ないでしょ」

「はぁ…」

この子は小笠原くん
前に委員会で一緒になった
一個下の子

「じゃあはいっ!」

「なにこれ」

「俺から
逆チョコですよ」

「逆チョコね」

「じゃあ告白…」

「無理やから
私は年上せんもーん」

「あ、ちょっと!!!」

こんな感じがいつもの会話
もらったチョコは
スゴイおいしかった
ラッキーやなぁ



(里奈ー!買い物行ってきてー!)

って言われて
買い物に行く私
今日は土曜日
バレンタイン当日
街は甘ったるい雰囲気に包まれてる
気持ち悪いなぁ

(お姉ちゃん
可愛いなあっ)
(一緒に遊ぼっ)

こういうやつはめんどくさい
そんなんで遊ぶわけないし
ガツンと言ったろうと思ったら

バチンッ!!

「行くでりぃちゃん」

「えっ、ちょっと!!」



「ハァハァ」

「逃げれたぁ」

「小笠原くん何してんの?」

「部活帰ってるとき
りぃちゃん絡まれてるの見えたから
ハァ…焦った」

「別にええのに」

「りぃちゃんは分かってないんですよ
めっちゃ可愛いんやし」

「…いいから
それ…すごいな」

「なんか貰っちゃいました」

小笠原くんの両手には
たくさんのチョコ
聞いたことがある
小笠原くんおもしろくて
優しいからモテてるって

「食べるの大変やな」

「まぁ…けど俺
ほしい人にもらえてへんし」

「…」

「俺、先輩から欲しかった」

ダンッ!

「小笠原くんっ!?」

(お前ら何逃げてるん?)
(その子は俺らのやねん)

「っざけんな…」

「小笠原くん…?」

「りぃちゃん下がってて」

「え、でも」

(調子のんなよガキ)

「うっさいねん
りぃちゃんは俺の大切な人やから
お前らのもんちゃうねん」

(ウザがられてたやろ)
(ハハハッストーカーやな)

「…構わへん
りぃちゃん守れたら俺は
何でもええから」

(やれっ!!!)



「すいませんでした…」

あれから喧嘩になり
近くのおまわりさんに補導されて
散々怒られた小笠原くん
顔は傷だらけやった

「別に逃げたらよかったやん」

「嫌や」

「…私のどこがええんかわからへん
私ひどいことしか」

「りぃちゃんの全部が好きやから
別にええんです
俺のこと好きにならんくても
他の人好きでも
それでもりぃちゃんが笑ってくれるなら
俺は幸せや」

「っ///」

「りぃちゃん…?」

「…」

「ハハハッ
帰りましょっか
送っていきます」





「じゃ、明日」

…遠くなる背中

(りぃちゃんは俺の大切な人やから)
(ええんです)
(りぃちゃんが笑ってくれるなら)

走って小笠原くんの
腕を掴む

「りぃちゃん?」

「明日でもええ?」

「え?」

「チョコ…明日でも」

「へ…?くれるん?」

「…お礼やから
別に…深い意味なんか…キャッ///」

ギューッ

「嬉しいです…
日曜日やのに会える
デートでもしちゃいます?」

「…」

「なんて、欲張りましたね
明日、取りに来ますね」

「…朝の10時に駅前」

「え?」

「全部奢りなら
行ってあげてもええ」

「っ///」

「…じゃ」

恥ずかしくて早歩きになる
あーあなんであんなこと
言うちゃったんやろ
仕方ないやん…

「好きになったんやからさ」