夕陽が綺麗な
いつもの川の土手に
座っていた

「ふぅ…おぉっ、なんや美優紀か」

「なんやとはなんや
ほら、ジュース」

「サンキュっ…」

「そんな顔せぇへんの」

「別にこれが普通の顔や」

「そっ…」

「…」

「菜々ちゃんと…なんかあった?」

「…振られたわ」

「…」

山田と恋バナというか
卒業後の話になった
俺は一年のときから
山田のことが好きやった
その想いは日が募るにつれ
大きくなっていった
…今日
卒業前に伝えよう
そう思って意を決して俺は
山田に伝えることにした


「どうしたん彩」

「いや、あのさ
卒業やなそろそろ」

「そうやなぁ
みんなバラバラやぁ」

「だからな俺
山田に言っとこうと思って」

「何を?」

「…好きや
山田のこと
一年の時からずっと
良かったら俺と…
付き合ってください」

俺的にはよくできたと思う
ちゃんと照れずに目を合わせて
しっかり伝えた


「…友達のままでいてくれへんかな」

「え…?」

「彩とはこのまま変わりたくない
ずっと冗談を言い合っていたいねん」

初めての告白
まさかこんなあっさり振られるなんて
山田はずるい
はっきりと嫌いと言ってくれれば
ええのに…
それなら俺やって
諦められるのに…
その優しさが俺を苦しめるんや

「冗談や…なに本気にしてんねんっ
俺が山田みたいなちんちくりん
好きになるわけないやろ」

「…そっか」

「…俺、用事あるから帰るわ」


それで今に至る
友達のままでっていうのが
なんでこんなに切ないんや…
俺はそれだけ山田のこと
好きやったんや…

「彩…」

「…ま、別にええけどな」

「強がらへんの」

「…」

「泣いてもええで?」

「フッ…泣くわけないやろ」

奥歯噛み締めながら
微笑む日もある
強がってへんと
瞼から熱いものが
流れ落ちてしまう
それを流したら
負けや
お腹に力を入れて立ち上がる
このまま座ってたら
立ち上がれんくなりそうやから
立ち上がる練習や

「ホンマ昔から
彩は強がりなんやから」

「うっさいわ」

「しゃーないから
今日は一緒に寝たろっか?」

「遠慮するわ」

「えー昔は辛いことあったら
私のこと抱きしめて寝てたやん
ええんやで?私のこと抱きしめたって」

「アホか」

「アホちゃいますー
誰かさんみたいに小テスト2点なんて
取りませーん」

「お、おいっお前っ!」

「ヘヘヘッほら、行くで!」

「おいっ…ったく」

いつもは
うっとおしく感じるけど
今は感謝やわ
きっと美優紀がおらんかったら
夕陽が沈んでも
俺は立たれへんかったやろ
胸に空いた穴から風を通すだけ
通して…

(彩っ)
(ハハハッアホやん)
(…友達のままでいてくれへんかな)

「ハハハッ…さよなら
俺の初恋」

奥歯噛み締め
微笑み
俺は夕陽に呟いた