(先生さよならー)
(はい、さよならー)
今は夜の22時
塾が終わった時間
友達と話して帰りたいけど
遅くなったらママがうるさい
ホンマに親は勝手や
遊びで22時なんてなったら
めっちゃ怒るくせに
塾ってなったら
何時でもオッケーやねん
「ただいまー」
「おかえりー
彩くん来てるから
手洗ったらおいで」
彩くんはいとこのお兄ちゃん
私が目指してる学校の
一年生で
しかも私が受けるクラスの
二個上で
とにかく頭いい
けど、私は少し苦手かな
だってあんまり話してくれへんし昔はもっと話してくれた気がするのになぁ
「ホンマに彩くんはすごいなぁ
それに比べてこの子全然
勉強せぇへんねんで」
「ママ…」
この言葉が嫌い
ママの理想はどれだけ
勉強したらいいんよ
ただでさえ
色んな人から勉強しろ
今が勝負と
ずっとプレッシャーを
かけられてるなかで
家くらい
お疲れ様
頑張ってるねなんて…言うてくれたって
「彩くん
美優紀に勉強教えたってや」
「…はい」
お母さんと彩くんのお母さんが
話してる間
勉強を教えてもらうことに…
塾帰ってきたばっかりやのに
「美優紀ちゃん」
「ん?」
「本でも読もっか」
「え?勉強は?」
「美優紀ちゃん疲れてるみたいやし
塾終わりやろ?
無理に続けても効率上がらへんからな」
「…う、うん」
「…うん」
不思議やったから
彩くんの顔をのぞき込んだら
顔が真っ赤やった
…もしかして
「照れてるん?」
「っ…しゃーないやん
女の子あんまりなれてへんねん」
「じゃあ私とあんまり話さなく
なったのって…」
「美優紀ちゃん女の子に
なってたから
なに話してええか分からんかったから」
「…フフフッ
なーんや、彩くんって可愛いんやな」
「か、可愛い?」
「誤解しちゃってた
私のこと嫌いに…」
「そんなわけないっ!
好きやでっ!!!…あ///」
「あ、ありがとう///」
な、なにドキドキしてんの
彩くんやで?いとこやで?
「美優紀ちゃん…」
「ん?」
「俺、その
美優紀ちゃんのこと
その…まぁ
す、す、す…」
コンコンッ
(彩ぁー帰るでー)
「あ、はーいっ
…ごめんな」
「う、ううん…///」
「あのさ、頑張れってあんまり
言いたないけど
美優紀ちゃんらしく進めば
ええよ
頑張ってるよ美優紀ちゃんは
じゃあまたな」
バタンッ
あ…
言ってほしかった言葉
こんなにもあっさりと…
心臓の動きが早い…
私は机に座って
参考書たちを広げた
絶対合格したんねん
そして彩くんと
同じ高校に行く
合格したら
言ってもらおう
さっきいいかけた
す の次の
一文字をねっ
受験生の皆様!
あとちょっと!
春はもうすぐです!