「渡辺」
「…ナッツ」
渡辺を待ち伏せ
決着つけへんと
「なんや次はアンタが相手か?」
「構えてもらってるとこ
悪いけど
タイマンはる気はないねん
悪いが喧嘩は嫌いでな」
「副部長がそれでええんか?」
「元々私はいじめられっ子や
まぁまぁ名の通った
私立の中学でクラス委員
頭もよくてな
それを僻んだ同級生に
毎日いじめられた」
「ふーん
それやのになんで副部長に」
「彩さんが助けてくれた
今みたいに笑ってくれる人ちゃうくて
すごい悲しそうやった
私は彩さんについていきたくて
必死に食らいついた
まぁすぐに倒されるのがオチやけど
でもなある日」
(ハァハァハァ…)
(しつこいなぁお前も
泣くぐらい怖いなら
私をほっとけばええやろ)
(嫌だっ!)
(…えぇ加減にしろ
私は一人でええねん誰とも…)
(私は彩さんについていく
支えになるんや!)
(支え?お前が?
泣き虫ですぐに倒されるお前が)
(強くなる!絶対に
そして彩さんと一緒に歩くんや!)
(…アホらし)
(アホでもええ!私は!マジや)
(…プッ!!! ハハハッ!!!)
(え…?)
(私の舎弟になりたいやつは
何人もおった
そいつらの目はみんな私を超える
倒す目やった…けど)
(うわっ…)
(お前の目気に入ったで
ほら、手つかめ)
(彩さん…)
(泣き虫でピーピー泣くから
ピー助って呼んだるわ)
(嫌ですよ!舐められる)
(わがままなやっちゃ
んじゃーピー…ピーナッツ?
んー、ナッツでええやろ!)
(それなら…はい)
(よしっ!二人でてっぺんとって
上からの景色眺めようぜっ)
「…で?思い出話されて私はどうしたら?」
「ホンマはなお前とタイマンはる
つもりやったんや
けど彩さんが昨日
お前にてっぺんを譲るって」
「は!?何言うてんねん
タイマンは?
それに譲るって」
「彩さんはお前を気に入ってる
だから…」
「おかしいやろ?
てっぺんを譲る?
そんなん譲られてもらうもんちゃう
取るなら奪い取ったる
それやのにアイツは…
アイツはどこや!殴ったる!」
「…おらへん」
「あ?」
「昨日から…入院して
意識が戻らへん」
「…え?」
ナッツは膝から崩れ落ちて
涙をこぼした
「彩さんの脳には腫瘍があって
それを取るときに
目の神経を取らなあかんねん
彩さんギリギリまで残しとくって…
卒業まで
私とてっぺんの景色見るって
それやのにっ…」
(ナッツ…)
(彩さん?)
(美優紀に…てっぺんを任せる)
(え…?)
(ごめんなぁ…お前との約束
果たされへんかもしれへん)
(…いいんです彩さん
彩さんが生きてたら…
私は、幸せやからっ
一生着いて行きますからっ)
ナッツは拳を握りしめて
そこから血が流れてる
悔しいんや
どうしようもできひん自分が
(お前の過去受け止めたる)
(私は一人なんや)
(好きやで美優紀っ)
いつも強気なくせに
なに諦めてんねん
なに譲るとか言うてんねん
なめんな…
「あんの…バカ野郎…」
「渡辺!どこ行くんや!」
「あのバカのとこや!!!」