「彩ぁー?」
「…」
「ふぅやっぱり
漫才上手くいかんかったんやな」
昨日の夜
彩は嘆いていた
元々彩はボケ担当でやってきたけど
みるきーと組むことになり
ボケではなくツッコミになった
みるきーふわふわしてるから
あんまりツッコミにキレがないみたい
「なんでや…」
「まぁしゃーないって
お互い初めてなんやし…」
ガチャッ!!
「彩っ!
みるきーとの漫才最高やったな!」
「え?どういう…」
「なんで…上手くいったんや」
「そこかいっ!!!!」
興奮ぎみのまーちゅんに
聞いたところ
二人はネタ合わせが上手くいかず
とりあえず慣れで舞台に立って
感覚をつかもうとしたらしいけど
話をしてるうちに
会話が漫才になり
練習なのに
部活の休憩の生徒が集まり
スゴイことになったらしい
「前より…ウケてた」
「よかったやん」
「いやいや、おかしいやろ
私はアイツとは真逆で
まったく合わへんねんで?」
「漫才では合うってことやろ?」
「そうなんか…」
「彩はしてて楽しくなかったん?」
「…めっちゃ楽しかった
体の芯が熱くなってん
私の欲しいタイミングで
欲しいボケがくるねん」
「フフフッ」
彩はすごい楽しそうに話してた
「これなら、JK1いける
てっぺんとれる
お父ちゃんに近づける!」
「よかったやん」
「おぅ!
ちょっと美優紀と
ネタ合わせしてくるわ!」
バタンッ!
「ちょっと前まで
嫌がってたくせに…フフフッ」
アイツどこ行ったんやろ?
もう帰ったんか?
ん?おぉ、おった!
「美優…あ」
美優紀がボーッと見つめる先には
体育館でバドミントン部が
練習する姿
それを美優紀は
どこか哀しそうに眺めている
(渡辺さん
バドミントン部気になる?)
「…」
(やっぱり入らへんか?
今からすれば元に…)
「冗談やめてください
私の足は使いもんにならへん
1つの試合するのでも悲鳴をあげる」
(でもリハビリさえすれば)
「もういいんです
私、自分で胸張って言えるくらい
強かった
それが誇りやった…
リハビリしても前みたいに戦えない
それならする意味ないんです」
(…)
「先生、私は今幸せなんです
お笑い部に入って
お客さんの笑顔見て
信頼できる相方ができて
だからこれでいいんですっ」
(そっか…入りたくなったら
いつでもおいでよ?)
「はい」
「…」
「あ、彩ぁーどうしたん?」
「いや、今日はよかったな…って」
「そうやな!私らは最高のコンビや」
「そうやな」
「あ、そうやネタ合わせしよっ!」
美優紀…お前無理してへんか?
無理やり自分に言い聞かせてへんか?
ほんまは、お前は
あのコートの中で羽ばたきたいんやろ?
「ほら、彩いくでぇー 」
「…おぅ」