「ハァハァ…」

「ん…彩?」 

夜苦しそうな彩の声で
目が覚めた 
これは発作の前やわ
救急車呼ぼ

「…はい、そうです
そのマンションで…えぇ
お願いします
これでよし…」

やっぱり
風邪を引くと心臓に
負担がかかって
発作が出やすくなるって
昔パパが言ってた
実際パパの最期も
風邪を引いたせいやったし

救急車が来て
彩を病院まで連れていった
処置室に連れていかれて
私は外で待つ
すると担当の先生が出てきた

(今は安定しました
早い処置で大事にはなりません
ですが今日から入院になります)

「そうですか」 

(…失礼ですけど
あなたは?)

「私は…彩の
彼女です」

(…そっか
よかった、山本くん
ずっと一人でおったから
これからも山本くんのこと
支えてあげて
彼、強がりやから)

先生は優しく笑って
去っていった
…知ってるで?
昔から彩は変わらへん
怖いくせに怖くないって
人のことどうでもいいっていうのに
結局私のこと
励ましてくれたもんな
あのとき…


小さいとき
パパが入院してて
お見舞いに行くけど
パパは検査ばっかりで
待ち時間が多い私は
病院探検をいっぱいした
入院してる子たちと遊んだり
少しいたずらしたり
そして病院の屋上にいったとき
彩に出会った

「なぁなぁ一緒に遊ぼ」

「…遊ばれへん」 

「なんで?」

「僕、走ったりしたら
心臓苦しくなるねん」

「そうなんや…」

「別に遊びたくなんかないし
つかれんの嫌やし」

子供ながらに
外で遊ぶ子を見る彩の目は
とても辛そうで
我慢してるんやってわかった

「じゃあ…お絵かきしよっ!」

「え…?」

「私、お絵かき好きやねんっ」

「…う、うんっ!」

「なぁなぁ名前は?」

「僕は彩」

「私は美優紀っ」


彩とは会えるときにはあって
お絵かきして折り紙して
そんなある日

「パパっ…パパぁ…」

パパが死んだ
突然のことやった
ちょっとジュース買いに行って
帰ってきたパパは
帰らぬ人になっていた
ママも辛そうで
そんなママをみたらもっと泣きそうで
私は屋上に逃げた

「…美優ちゃん」

「彩…っ」

彩は私の横に座って
私の頭をなでた

「大丈夫やで
僕知ってるねん
人はな死んだら星になるねん
星はみんなに見られるねん
綺麗やねって
だから辛くなんかないやろ?」

「…っ」

「僕も星になるねん
全然怖くなんか…ないで」

そう呟く手は震えていた
私は彩に抱きついた

「彩は星になんかならへん!
私がさせへん!」

「美優ちゃん…」

「彩までいなくなってほしくないっ!」

「ありがとう…
僕頑張る
美優ちゃんのために頑張る」

「彩っ」

二人して微笑みあった

けど次の日
彩は病状が悪化して
他の病院に転院になった
私は行きたかったけど
さすがに個人情報なんちゃらで
聞くことができひんかった

だから驚いてん
入学したとき
大人になった彩に会えて
恥ずかしくて久しぶりなんて
言われへんかったけど
けど変わってへんかった
強がりなとこ
屋上が好きなとこ
優しいとこ
全部大好きな彩のままで
あと…寝顔が可愛いところもな?

「ん…んん」

「彩のことは私が守る…」