あの子一体何もんなんや?
私のこと待ってた?
人違いやろ
山本なんて珍しい名前ちゃうし
「うーっす」
「おぉ!彩!
ええところに
新しいネタできてん見てみて!」
「おぉ分かったってば」
「よっしゃ
りぽぽやるでー!」
まーちゅんとりぽぽは
コンビで
リズムのよい漫才が魅力や
息のあった漫才ってやつ?
見てて楽しくなってくる
ガチャッ
「やまだぁー…ななだよっ!
やまだぁー…ななだよっ!」
そういう空気を壊す輩がここに
「帰れおばちゃん」
「誰がおばちゃんや!」
こいつは山田菜々
お笑い部部長
わたし達はお笑い部の部員
「そうや、新しい部員来るらしいで!」
「マジで!」
「多分っ
でもな?先生が反対してるんやって」
「はぁ!?」
「でも仕方ないかなぁって
だってみるきーやで?」
「「えぇ?みるきーが言うてるん?」」
「そう、私も聞いたときめっちゃ
嬉しかってんけど
今も指導室で話されてるわ」
「はぁ…」
「ちょい待って
みるきーって誰?
なんで話進んでるん?」
「え?みるきー知らんの?」
「しらん」
「「えぇぇぇ!?」」
「なんやねん」
「ほら、最近転校してきた子やん!
雑誌のモデルしてる子!
えーっと…ほら!この子!」
「…あ、この子
朝の…」
「ホンマ可愛いよなぁ…
でもなんで先生反対するんやろ」
「これちゃう?」
「え?…あ」
雑誌の経歴の欄に
バドミントンで全国大会出場経験あり
「あぁ、なるほど
だからバドミントン部に入れたいんや」
「けどけどなんでお笑い部なん?
バドミントン強いなら
バドミントン部入るくない?」
「バドはもうしたくないねん」
「み…渡辺さん」
あの子や
朝、笑ってくれた
あの子や
「私な山本さんと組みたいねん」
「私?なんで?」
「なんとなく?」
「は?」
「フフフ…」
やっぱりこういうの苦手
絶対馬鹿にしてる
「悪いけど私
信頼できひん人と組む気ないから」
「ちょっと彩!」
「…私も一緒
だから…彩を選んでん」
「なんやねん」
ガチャッ
「まぁそんなこと言わんとったてぇな」
「愛菜さん」
愛菜さんは
バレー部のキャプテン
頭良くてかっこよくて
私の憧れ
そして、山田の彼女
「美優紀は私の親戚の子やねん」
「愛菜」
「私から頼むわ
彩ちょうど相方転校して
一人やろ?」
「そうですけど…」
「…んー
…美優紀今はこんな感じやけど
昔はちゃうかってん
色々あってな
なんも興味なくなってしまってて
彩たちの漫才見て
やりたいって…頼むわ」
「…わかりました」
「ありがとう…
美優紀っ!彩と今日から頑張りな?」
「うん!」
「(よろしくな」
そう言って愛菜さんは
出ていった
はぁ…
「よろしく彩っ」
「おぉ」
とんだ災難やわ