「ゲホッゲホッ…」

「風邪ひいたん?」

「おぉ」

「看病しにいこか?」

「別にええ」

「でも…親」

俺は一人暮らしみたいなものを
少し前に始めた
弟はすごいすごい
それがうんざりで
家の近くに暮らすことにした
親は初めは反対したけど
少し言うたらすぐに許した
どーでもいいけどな

「寂しくない?」

「なんともないから
じゃあな」


はぁ…しんどい

「ゲホッゲホッ…
ック!!!…ハァハァ」

風邪を引いたら
心臓に負荷がかかるから
アカンって言われてんのになぁ

ガチャガチャッ

ん…?

バキッ!ガチャンッ!!

「彩っ!」

「ゴホッゴホッ…お前
ドア直せよ?」

「そんなことどうでもええねん
あ、熱ある
あー!こんな格好して
もぉー!」

「うるさいなぁ…
ちょ、ちょいっ!何してんねん!」

「何って脱がしてんの
汗かいてるし
体ふくから!」

「いやいやいや
マジでやめろって…///」

「ええから…
…よいしょ
はい、ふくでー」

「うぅ…」

「よいしょよいしょ
はい、こっち
次こっち…はい
えーっとこれ着て」

「おぉ…」

「これでよし
コンビニでいろいろ買ってきたから
キッチン借りるで?」

「ん…」

なんやアイツ
普通にできるやつやん
なんか懐かしいなぁ
昔は母さんは俺のこと心配して
付きっきりで
優しくて…
そんなんやったのに…

「できたでー
彩?」

「…別に」

「はい、ふーふー
あーん」

「…///」

「あーん」

「あー…ん
うまい」

「やろ?
ふーふー…はい」

この調子で食べさしてもらい
お粥食べ終わって
風邪薬ももらった
その薬も俺の常用薬と
相性がいいやつやったし
ホンマに考えてくれてあるんやなって
思った

「大丈夫?辛くない?」

「おぉ…さんきゅ」

「ん、じゃあ」

「帰るんか…?」

「んーん今日は帰らへん
じゃーんお泊まりセット」

「…フッ」

「嬉しいんやろー」

「別にっ///」

「素直になればええのにー」

「素直や俺はいつも」

「私のこと好きやろ?」

「…」

「まだなん?」

「まぁ…ちょっとは
グェッ!!」

「嬉しいー!!」

「ひっつくなってば…」

「すごいドキドキ言うてんで?」

「病気のせいやっ」

「そんなわけないやろー?」

そう言って俺に抱きつく
はぁ…ってため息ついて
渡辺をのぞき込んだら

「んー…」

「嘘やん寝てる?
アホやん
風邪うつんで…」

俺の胸に顔うずめて
手を握って
幸せそうにしてた
あったかくて柔らかいなこいつ…
猫みたいやな
擦り寄ってきて…

私のこと好きやろ?

…さぁな

「さやかぁ…」

「…ありがとうな」

今日君から教わった大切なことは
人の温かさ…かな